米1−3月期経済成長率、芳しからざる予想。

 今日の日経朝刊7面(国際2)に、29日発表という米1−3月期実質GDP(速報値)の伸びが、前期比年率で2%を割ろうという予想が出始めたという記事が出ていた。バークレイズでは「1.1」、JPモルガンに至っては「0.6」(!)という数値を弾き出したという。
 
 GDPの主たる「材料」の小売売上高が芳しくないのが大きいようだ。商務省が14日発表済みの3月分が前年同月比1.3%増と5年半ぶりの低水準で、2月比でも0.9%増と市場予想1.1%に及ばなかった。

 この指標は名目な上、一部のサービス関連は含まないので、全面的に実質GDPに反映はされない。しかし昨年10−12月期に実質個人消費伸び率4%台でもって、GDP牽引の構図が一変した感がある。

 もっとも天候不順のせいなのが大きかった1−3月期なので、それは一時的だとして4−6には持ち直すと見る向きも多いという。何れにしても、FRBによる「6月利上げ説」がまた一段と遠のいたとしている。
 
 今日時点で既に為替がそれを織り込み始めているようで、今朝一時前日比で30銭ばかり円高ドル安の1ドル118円台にまで振れた。それにしても現地市場の見方は、そういう根拠があるにしてもかなり弱気で、2%割ればかりか半分ないしそれ以下である。

 こうなるとFRBは、毎月の雇用統計や小売売上高はもとより、もちろん四半期毎のGDPをも睨みながら利上げ時期を探る姿勢のようで、少なくとも4−6GDP速報が発表になる7月以降……確報値は8月だったか??……そう考えると、各指標が堅調に推移するという前提条件で、「9月利上げ説」が最有力なのも分かる。逆に言えば、どれかが不調だと、途端に9月から「先延ばし説」が跋扈する事態にまでなる(?)。