原油価格底入れ観測があるが……

 今日の日経朝刊2面(総合1)に、米シェールオイル減産の観測によって原油価格が堅調に推移、底入れ観測まで始めたという記事が出ていた。WTIが15日に一時、4カ月ぶりに1バレル55ドルをつけ、市場では「60ドルを目指す展開か??」と底入れ感をも仄めかしている。

 14年10月以降のWTI価格の折れ線グラフも出ていて、80ドルをピークにツルベ落とし状態、1月と3月に40ドル台央に下がったところが底だろうというわけか?? そもそも、原油価格等の資源価格のテクニカル分析がどんな形なのか、チャート以外見かけたことがない。なので何を根拠に、シャレでなしにそこが底だと(?)判断できるのか分かったものではないのだ。

 株式のようにPER・PBRの投資尺度があるわけでなし、また為替のように各通貨間の実効為替レートもあるわけでなし、チャートと移動平均から判断するしかないと思うのだが、今回そこまで出ていなかった。

 当面の買い材料としては、米がドライブシーズンの需要期に入り製油所の稼働が芳しいことがある。一方、中国その他の新興国の需要が芳しくない上、6月のOPEC総会を睨み、サウジアラビアのみならず、非OPECの露も勢い増産が続くという。なので、本当に底を打って堅調に推移していくのか、少なくとも2カ月間は予断を許さないだろう。