「2万」は遠きありて思うもの(?)。

 今日の東証は、日経朝刊7面(国際2)トップにも出ていたギリシャ債務問題の再燃で、週末要因もあってか日経平均が反落し、昨日16日比232円89銭安の1万9652円88銭で引けた。昨日NYダウが一時56ドル高まで上げたものの、結局6ドル安だったことから、こういう時の定番の先物主導による売りによって、とても買える地合いになかったようだ。

 日経国際面では、ギリシャを支援するEUと、その恩に与るギリシャとの間で不調和音があると出ていた。本来2月一杯で終える手はずのEUの資金支援を6月まで延長、総額72億ユーロ(9000億円)の融資で合意した。その条件は、公営企業の民営化や年金負担の抑制、公務員の人件費カットといったギリシャ構造改革だ。

 しかしギリシャが着手する姿勢すら見せず、当然業を煮やしたEUが「改革案を示さなければ、4月でもってこの話はなかったことにする」としたのが、いよいよ現実味を帯びてきたわけだ。それを受けてか、米格付け会社S&Pはギリシャ国債をワンランク下げ、「CCC+」にしたという。

 12日に末尾で「国内外で余程のことが起きない限り……」と結んだが、まさにこのことが「国外での余程のこと」になったようだ(?)。

 丁度1週前、瞬間風速的ながら15年ぶりの日経平均2万乗せに沸いた。しかし冷静になって考えると(?)、結局ヘッジファンドかどこかの短期筋による、2万手前までのチョウチン買いに純真な零細投資家が次々乗っただけの、まさに宴に過ぎなかったのかもしれない。昨日東証が発表し、日経朝刊17面(マーケット総合2)トップに出ていた、その週の投資部門別売買動向では、個人が3587億売り越した一方、海外投資家が5910億買い越しはしたが……