とうとう鉄鉱石生産を休止するという豪資源会社。

 今日の日経朝刊7面(国際2)「ダイジェスト」に、鉄鉱石を生産する豪州の中堅、アトラス・アイアンという資源会社が昨日、今月中の生産を休止すると発表した出ていた。鉄鉱石価格が1トン40ドルそこそこと、同社の損益分岐点60ドルを大幅に下回っているためで、500人規模の雇用への影響もあろうといい、「困難な決断だった」としている。

 会社では市況の戻りを待つしかないともいうが、先行き不透明だとして、操業の再開時期も正直分からないでいるようだ。

 先日4日も取り上げた通り、三井物産三菱商事と思しき某商社ですら「先行き不透明」と見ていて、それが目下の市場でのコンセンサスのようだ。なので、かの会社も操業再開が果たして、早くて5〜6月になるのか、遅くて寒い夏場(?)以降なのか、全く掴めなかろう。従業員としても来月再来月のみの、会社敷地内のいわゆる「5S運動」或いは一時帰休ならまだしも、7〜8月になってもメドが立たなければ確かに雇用不安も帯びてくる。

 今年初め早々か、米シェール開発会社が原油安で倒産にまで至ったくらい、昨今の資源安のデメリットが方々に飛び火しているが、世界的な金融緩和の流れの中、マネーが金融市場にのみ向かっていて、当面実需の見込めない資源関連は聾桟敷に置かれている。

 もっとも逆に言えば、金融市場の過熱感が浮き彫りになれば、出遅れている資源関連に早晩ハンドルチェンジするという見方もできよう。あとはいつ、何のきっかけでそうさせるのかが焦点になろう。