あとはFRBの出口戦略にかかっているか。

 昨日米労働省が発表した2月雇用統計速報値(季調済)で、非農業部門雇用者数が前月比29万5000人増、失業率が同0.2ポイント下がり5.5%だったという。しかしこの記事も例によって、My朝刊の中で日経だけが1面中ほどと7面(国際2)トップに出ていたように詳しく、朝日と読売は共に経済面でベタ扱いだったので、今回で何回目になるか忘れたが(?)日経片手に綴る。

 雇用者数が市場予想の24万を大幅に上回ったのみならず、一緒に発表した1月雇用統計改定値が速報より1万8000減ったものの23万9000だった。昨年12月改定値が32万9000で、前年のほぼ同期の平均約15万だったことから比べても、昨秋からの伸びの高さが窺える。

 13面に米労働省出所の、08年以降の失業率折れ線グラフと雇用者数増減の棒グラフが出ていて、共に08年末から09年初の「リーマン後」が最悪だったところから回復傾向を示している。雇用者数こそ劇的な伸びまでないものの、失業率が年を追って低下傾向なのは好感が持て、今回の発表を受けての市場の反応も概ね良好だという。

 あとは、既にQE3を終わらせ、金融引き締めの出口戦略に動かなければならないFRBの動向だ。昨日のNY市場では雇用統計に対し早速、利上げ観測から円ドル相場で一時121円台の3ヵ月ぶりの円安ドル高、NYダウが279ドルばかり急落したことで反応した。

 かねてからの「利上げは今年半ば」という市場コンセンサスは変わらないようだ。一方で、大西洋を越えた欧州でECBによる初の量的緩和が始まる中で、米が利上げをすれば金利&ドルが急騰しかねず、折角の景気拡大基調が損なわれる懸念もある。日本でもアベノミクス&黒田バズーカーによる緩和の真っ最中なので、今FRBとしては少なくとも利下げ等の緩和だけはナシなのが明白だが……