やはり年内の原油高だけはなさそうだが……

 今日の日経朝刊3面(総合2)と6面(国際1)に、昨秋から半年超続く原油安傾向にやや一服感があるものの、また下がる余地もあるという観測記事が出ていた。その中に、昨日公表したIEA(国際エネルギー機関)の中期予測リポートのことも触れられてあった。

 向こう5年の石油の需給動向を分析したもので、北米でのシェールオイルの増産が一服、案外早く需給がタイトになる見通しだという。OPECを除いた20年の世界の原油供給量が日量6000万バレル、年平均の増産ペースが57万バレルにとどまり、過去5年平均100万を下回る見通しとした。

 ただ、市場では値上がり局面で「待ってました!」と利食ってきたり、戻り待ち売りを浴びせる投資ファンド等もあり、上値が追えないのは昨今の株式市場同様のようだ。目下どう見ても非OPECのリーダー格だろう米の生産量が日量920万で、在庫に至っては過去最高の4億超(!)ともいう。それでかどうか、シティグループが去る9日、「WTI、春先にも20ドル台」というリポートまでまとめている。