そんな在庫は堪ったものではない産油国(?)。

 今日の日経朝刊7面(国際)トップ「原油安ショック」に、主要先進各国で原油の在庫が過去最高水準に達したという記事が出ていた。EIA(米エネルギー情報局)曰く、少なくともOECD加盟国による14年末の在庫は延べ27億バレル(!)……実に57日分といい、13年比6%増、年末ベースで過去最高に達した。OPECによる「生産日量3000万バレル維持」を前提に、EIAは「今年末はそれプラス6800万バレルだ」とはじいた。更に00年以降の棒グラフも出ていて、16年には28億近辺まで達する見通しという。

 また、一方で中国も何のためか分からないが(?)戦略備蓄の輸入を増やし、昨年12月の輸入量が日量700万バレルとこれも過去最高。しかも僕もこれはウッカリしたが11月に初めて備蓄量を公表、9日分に当たる9100万バレルあるという。備蓄放出の有無はわからないものの、これだと既に億単位に達したかもしれない。「景気減速の中での備蓄積み増し云々」ともあり、日経もぶっちゃけ「なんでやねん??」と言いたげな風情だ(?)。

 なお、国際面なので出ていなかったが、昼休みにこれを読んでいて「日本は確か第1次オイルショックを契機に、石油備蓄に関する法律ができたようなことを聞いたが?? ホルムズが封鎖されても、事前に国は少なくとも数カ月分の備蓄の義務を負うとか何とか……」と思い、帰ってから六法全書を開いた。しかし、2分冊のどこにも目次すら見当たらなかった。
 不思議に思い、フリー百科事典Webサイト「Wikipediaウィキペディア)」にあたると、やはりあった。正式名称「石油の備蓄の確保等に関する法律」、略称「石油備蓄法」で、75年(昭和50年)制定というから、案の定第1次オイルショックで貯金ならぬ「貯油」というか、「石油財テク」というか、ロクにしてこなかった反省から施行されたようだ。
 余談だが、それにしても有斐閣刊行の六法全書は、『全書』と銘打っていながら全部の法律を載せているわけではないことも聞いたことがあるものの、石油備蓄法くらい割愛しないで頂けないものか。あくまで六法とその関連法なり特別法に限っていると言われれば、一応は納得するしかないが……

 ということは今回の記事は、日本以外のOECD各国でもオイルショックを契機に、この40年ばかり大なり小なり「貯油」&省エネ&次世代エネ開発に励んできた結果、ここまで辿り着いたと言えなくもない。なれば第1次の時、原油価格を従来の4倍に引き上げた当時のOPECが蒔いた種が、今の原油安となって花開いたわけでまさに自業自得、昨今の安値に恨み節を口ずさむなら自らに口ずさむべきだろう(?)。また、ロシア等の非OPECは、思う存分OPECに口ずさめば良かろう(?)。