それがOPECの希望的観測に過ぎなくなければいいが……

 今日の日経朝刊3面(総合2)に、OPECが15日に発表した1月の石油市場月報で、需要が1−3月期こそ日量2775万バレルだが、10−12月期には2997万バレルにまで回復し、供給過剰が解消に向かうとの見通しだという記事が出ていた。
 15日のNY原油市場でWTIが1バレル約51ドルをつけ、約6年振りという13日の45ドル割れから戻してはきたが、一頃よりは未だ相当な安値だ。なので流石にここまでくれば需要を刺激し始めるであろうと、OPECは今年の世界需要見通しを日量9230万バレルと、前回予想から5万バレル引き上げた。
 ただ、一方で同じ日にバンクオブアメリカ・メリルリンチでは、3月末にWTIが32ドルまで売られるとまで予想した(!)という。

 何とかポジティブシンキングに邁進しようという、かつての「世界最強のカルテル」OPECの必死な形相が目に浮かぶが(?)、そのバンカメ・メリルの推計がおおよその市場コンセンサスだとすれば安穏とできない。僕的にもそれはあり得ると踏むし、それ以前に当のサウジアラビアに至っては「バレル20ドルになろうが減産なんかしない」とまで言い切っているくらい、OPECでは昨秋決めた日量3000万バレルという生産枠を「ビタ1バレル」たりとも(?)頑として減らさない方針だ。