単純平均初の4ケタ化??……なぜか日経本紙&株式紙に詳細なし。

 今日の日経朝刊18面(マーケット総合1)中ほどに小さく、「株式市場の投資指標」欄内の単純平均(東証1部全銘柄)について、算出式の変更に伴って前日比を掲載していないとあった。しかもその「算出式の変更」とやらで、昨日24日の終値が何と2948円82銭(!)となっていた。

 単純平均は日経平均と違って、何の工夫もなしに(?)ダーッと足して割るだけの、文字通り単純明快な平均株価なので、東証1部の相場表をザッと見ただけでもそんな数値にならないのは明らかだ。確かにキーエンス(昨日の終値5万2900円)やファストリ(同4万5300円)、良品計画(同2万3480円)のような5ケタもの値嵩株があるが、まさにごく一部でしかなく大部分が3〜4ケタ株価、のみならず一部には2ケタまであったりするのだ。なので「単純平均約3000円」はまずあり得ない。

 ただ、10月一日でもって新日鉄住金が10株から1株への株式併合に踏み切り、つまり10月から、今のままでいくと株価自体「2300円」と一気に4ケタ化になる。昨今は取引単位の1000株からの100株化も急速に進んでいる背景もあり、新日鉄住金ホームページ上でもそれに触れつつ、取引単位を1000株から100株に引き下げる措置も併せてのことだが……と思い至って、こんなことに気がついた。

 「今1000株単位の銘柄を全部100株にしたと仮定し、今般の新日鉄住金のようにケタ数を増やして改めて計算……それならそんな数値もあり得る。そういうことなのか……??」

 しかし出勤途上に目を通した日経本紙にはもとより、昼休みに目を通した株式新聞にも日本証券新聞にも、どういうわけか「算出式の変更」とやらの詳細が出ていなかった。

 そして帰宅時、職場最寄駅で電車を待つ間たまたまバッグから取り出した毎日朝刊4面(総合・経済)中ほどに、これもごく小さく「おことわり」と称してこうあった。

 「東証公表の1・2部の株価平均は昨日から10倍の数値に……換算する調整値を1000株単位から100株単位に変更した為だ」

 案の定だ。ただ、単純平均だけは変な工夫なしに(?)普通に「足して割るだけ」にしてほしかった気がする。もともと「単純平均デビュー」は49年(昭和24年)5月16日の176円21銭で、以降選ばれし225銘柄を括って多種にわたる権利落ちその他を修正し続けてきた値が、現在の日経平均だ。それとは別に全銘柄を括り、修正もヘッタクレもなく(?)やってきているので、1度も4ケタに到達したことがない筈だ。

 もっとも新日鉄住金もこの10月以降、余程のことがない限り暫くは足元で2000円台が続こうから、この「新・単純平均」も基にし、水準の判断をすることにやぶさかではなくなっていこう。