それは高1時代の課題図書だったんだが……

 今日の読売朝刊1面のコラム「編集手帳」……朝日でいう天声人語だが、と一言多いとナベツネさんにドヤされるだろうが(?)、SF作家でショートショートの第一人者でもあった故星新一の長編小説『人民は弱し 官吏は強し』(新潮文庫)を取り上げていた。

 この本は新一の実父で実業家の一(はじめ)の半生を描いたもので、30有余年前の我が高1の夏休みの課題図書でもあった。しかし、ただでさえ他に数学や英語その他の「ノルマ」を抱え、基本「夏休みこれ即ち遊ぶためなり」と思っているところでもあり、現社の「期間中、最低3日分の新聞の社説を切り抜き、感想を添えて提出」という課題共々、マッハのスピードで黙殺した思い出がある(!)。そういう面倒な宿題の減点分は、2学期の中間・期末テストで取り返せばいいと考えていて、却っていいモチベーションになったと今でも思う(?)。

 ただ、卒業後に訳あって浪人に入り、学校に行くことがなくなった分というわけでもないが、「高1時代のその忘れ物」を取りに帰るが如く、その本を10日ばかりで読破した。卒業の前年、高3の夏の課題図書が松本清張芥川賞作『或る「小倉日記」伝』で、それは数十ページばかりの短編なのでシブシブ(?)読んで提出したが、本格的に「読書が趣味」になったきっかけの1冊がこの『人民は弱し〜』だったと思っている。