「車鋼板値下げ」で下げ、「今期増配の方針」には反応せず(?)。

 今日の東証は、中国その他新興国の景気減速への警戒感が根強かったり、為替も円ドルが円高方向に振れたことから日経平均が3日続落、昨日19日比189円11銭安の2万0033円52銭で引けた。いよいよ2万円台も風前の灯である(?)。
 
 そんな中、新日鉄住金が寄り付きからいきなり、5分足チャート上で一気に下げた。その後は一進一退だったようで、結局5円安の269円で引けた。これは今日の日経朝刊13面(企業総合)トップのこの記事が売り材料にもなったようだ。

 トヨタが1年ぶりに、部品メーカーへの値下げ要請を再開したという。今期過去最高の連結営業利益2兆8000億の見込みで業績が絶好調にもかかわらず、競争激化への備えと一層のコスト削減……いわばトヨタ流の例の「乾いたゾウキンを更に絞る」という取り組みのようだ。

 そしてトヨタ新日鉄住金等の鉄鋼大手の間で、今年度上期(4〜9月)の鋼板価格を前年度下期比でトン当たり6000円(約6%)の引き下げで合意したとも出ていた。主原料の鉄鉱石や石炭といった商品市況が軟調なのを反映したという。今期7−9月期、鉄鋼大手が資源大手から調達するそれらの主原料価格は、4−6比で前者が16%安の1トン52ドル、後者が15%安の93ドルで、両方とも10年度以降の最安値となっている。

 なので記事の末尾にもあった「こうしたことから利幅が押し下げられる見通しだ」として、市場の地合い悪化もあって見事に売り材料視されたようだ。

 せっかく、同じく今日の日経朝刊17面(投資情報)トップに、新日鉄住金が今期増配を目指すという、財務担当副社長か誰かへの日経の取材があったんだが……来る9月中間配当は3円で決定済みだが、10月一日に10株を1株にする株式併合を実施、配当性向を30%近辺まで引き上げるのを目指すとしていることから、期末は40〜55円(!)だろうという。