7月22日、静かに職場を去ったKさん③ 「彼女の視線は感じつつ、2月20日に……」

 そして年が明け、1月5日に仕事始めとなった。この日いよいよ作業開始だが、前回の②で書き忘れたこととして、昨年末の大掃除後の終礼(学校で言う終業式??)の際、年明けの各メンバーの持ち場表を全員に渡された。そこには僕と彼女が同じ持ち場である旨記されてあった。

 昨年一杯の研修中、「全席自由席」(?)のルームでは殆ど彼女と同席したりした、いや、厳密には僕の着席の際すかさず彼女がついてきたので(!)、「もう山川と彼女は一緒の仕事をさせよう」との粋な計らいだったようだ(?)。しかし……

 そこの持ち場が整備・点検等の都合で、稼働開始が2〜3月になるといい、そうなると流石に僕らは別々の持ち場に散らざるを得ない。そして各々の持ち場でOJTに励むこととなった。

 ここで普通なら「極めて遺憾」(?)、並みのヤローなら「ええ〜っ、この子と離れるの??」と泣きそうになるところだろうが(?)、僕はこの期に及んでも(?)彼女に興味を持てなかったから、別に何とも思わなかった。

 僕のその持ち場でのOJTは過酷を極めた(!)。昨年の持ち場見学の後、数分ほどの個別面談があり「〇〇〇の持ち場だけは怖くてちょっと……」との要望を伝えたが、あろうことか彼女と離れた持ち場が皮肉にもその「怖い持ち場」だったからだ(?)。
 
 ただ、OJTの最中は然ることながら、昼休み等の休憩時、特に昼休みは当然僕的に「My手弁当&新聞タイム」だったが(!)そのひとときにも、時折僕に向けられる彼女の視線が気になった(!)。何かとコッチを向いてはジ〜ッと……

 「昨年の、しかも初日からそうだが、ひょっとして僕に気があるのかなあ……??」

 依然彼女に興味がなかった僕とはいえ、ここまで俗に言う「女日照り」に悩まされ続けたこともあり(?)、小柄で胸がないものの(?)かわいくて、しおらしい子がそうやってきたら、俄然張り切るのが僕の良いところだ(?)。こうして1月一杯のOJTを何とか乗り切った。

 しかし、ここでの仕事は本来1月一杯までの契約で、2月以降は僕的にもっと近場での仕事を探すなり紹介して貰う心づもりでいたのだ。しかし、2月以降の労契を勝手に作成され(?)、頭にきた僕は職場とさんざんのバトル(?)の末、2月20日までの契約にして貰った。そして、20日遅れでようやく退職、近場の仕事を探し始めた。

 ただ、20日が近付くにつれ何故か「本当にそれでいいのか??」との思いも去来したりはした。なかんずく、本当に彼女を置いて行っていいのか!?という……(④に続く)