今週の展望、3紙で強弱感あり。

 昨日発行の、明日13日付株式新聞1面左にある「週間展望」では、ここぞとばかりに相場格言「もうはまだなり」を引き合いに、日経平均2万奪還は単なる通過点だとした。確かに調整含みではあるものの、市場を取り巻く環境やテクニカル面で見ても、「2万達成これにて一丁上がり」とはならないと強気に推していた。

 東証1部の平均予想PERが18倍台で、2年前の「異次元緩和第1弾」当時の22倍以下だ。また、米S&P500種でも9日時点で19.1倍で、日本でこれから本格化する決算発表で予想EPS(1株利益)が向上すればPERが下がり、米との比較で更に割安感が広がる。
 
 また、PBRも1.5倍で、直近の米の2.1倍以下、且つ、前回の2万円台だった00年当時の2.5〜2.6倍以下でもある。

 一方で今日の日経朝刊15面(日曜に考える)「市場アウトルック・株式」では、昨日の検証記事に引き続いてか、ここまでの急上昇にに警戒感が出ているとあった。先週末のシカゴ日経平均先物が2万0035円と、大阪取引所の終値を65円上回って引けたので、明日は堅調に始まる公算が大きいとしたが、「2万再トライ」とか何とかといった記述は見られなかった。株式新聞と裏腹に、事実上の弱気である(?)。

 ところが僚紙日経ヴェリタスでは、堅い底値もあって再度2万にトライしようとあった。PERの比較では株式新聞と同様で、日経平均の25日移動平均との乖離率も2.7%と、過熱感があるとする5%まで達していないのを根拠として挙げた。

 確かに、明快な好材料のない中で上げてきて達成したに過ぎず、先行き不透明感もありそうそう2万の値固めはできなかろう。しかし15年ぶりに奪還した事実は事実としてあり、新しいマインドに入ったのも確かだろうから、国内外で余程のことが起きない限り基本強気でいていい気がする。