日経平均2万達成に黄信号(?)……株式新聞の週間展望。

 週末でもあった昨日の東証で、日経平均が前日19日比83円66銭高の1万9560円22銭で引け、週足チャート上、9週連続で陽線を引くことになった。15年ぶりの高値水準といい、昨日までの地合いを見ていて、来週26日の実質年度末売買日も控え、いよいよ「日経平均2万近し」を思わせた。何より17〜18日の米FOMCで、ひとまず利上げ等の金融引き締めが回避され、市場ではさしずめ「信号待ち」していて青に変わったような気分だったろう。

 しかし今日の株式新聞1面トップの「週間展望」を読むと、何らかの悪材料があれど下値こそシッカリしているが、かといって上値も追えるかというとそれも難しいとあった。珍しい弱気見通しである(?)。

 おととい東証発表の投資主体別売買動向を、綿密に分析した結果らしい。昨年5月第1週から軒並み買い続けてきた「信託銀行」……事実上恐らく大部分がGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の買いで、3月13日までに延べ3兆7000億超を買い越したが、3月第2週(9〜13日)に354億を売り越し、第1週の33億から増加した。その間個人も自己売買部門も売り越し、それらを吸収したと言っていいのが海外投資家だったというのだ。

 問題は、その海外投資家が何をもってそんなに買っているのかということで、確かに春闘の好結果を聞き、景気の自律反発期待から中長期的投資に没頭している姿が浮かぶ。一方でカラ売り直後の買い戻しの痕跡もあり、13日までの9400億の買い越しを鵜呑みにしない方がいいとした。

 結局、海外投資家までいつ売り越しに転じるか分かったものではないと言いたいのか(?)、今週の日経平均予想レンジは9200〜9700台にとどめ、15年ぶりの「2万」は暫くお預けだという。株式新聞にしては、ここへ来てさすがに弱気のシグナルである(?)。

 ただ、見方を変えれば下値不安は皆無と言っていいから、今のうちが仕込み場、何らかの要因で急落しても、それこそ押し目ナンピンを入れる絶好のチャンスだともいえる。