原油安が原因の伯合弁企業の減損VS資源安(&円安)、で最終減益。

 今日の日経朝刊17面(投資情報2)トップ「決算深読み」、朝日朝刊9面(経済)、読売朝刊10面(経済)に、昨日発表の新日鉄住金4−12月期決算のことが出ていたが、例によって(?)朝読はベタ記事だったので、やはり日経片手に綴らざるを得ない。

 4−12月期連結純利益が、前年同期比20%減の1535億というのが、通期予想で前期比26%減の1800億につながった。それというのも、仏鉄鋼大手バローレックとの合弁企業VSB(本社ブラジル。新日鉄住金の出資比率40.4%)が事業環境の悪化に見舞われ、株の簿価を8割も引き下げた(!)減損処理の影響という。VSBは、かつての旧住金のように油田掘削用のシームレスパイプが主力のようで、昨今の原油価格下落がその「事業環境悪化」だ。

 しかしその減損処理に関して、市場では警戒どころか比較的冷静に対応している。昨日の後場の13時半に一時急伸したのはそれもあったろう。むしろ本業の鋼材生産が堅調な点を買っているという。
 また、粗鋼生産量こそ前期比1%減、従来予想の100万トン減だが、鉄鉱石価格の下落で今期経常利益が前期比14%増の4100億になるという。そこは記事にはないが、円安も多分にあると思う。