円安メリットここにもありだが……新日鉄住金第3Q予想経常利益。

 今日の日経朝刊1面左端の方に、新日鉄住金の4−12月期決算で連結経常利益が前年同期比6%増の3000億に達しようという予測記事が出ていた。正式発表は今月中だ。円安で競争力を増した造船向け鋼板や、東北の復興工事向け鋼材、都市部の再開発向けの建材といった製品が好調で、昨春の消費増税後に落ち込んだ自動車向けを吸収したという。更に世界的な資源価格の下落、とりわけ原油はもとより鉄鉱石も御多分に漏れずで、鉄鋼大手の10−12月期の調達価格も前年同期比3割安だったと、その分も追い風になった。ただし末尾にもあったが「そんなにあれだったら安してくれ」という需要家の声も当然あり、対して物流その他のコスト増を訴えるつもりだという。

 あと記事にないものの最近でも日経本紙や日経産業でレポートされていたが、中国の鉄鋼業界が相変わらず供給過剰なのが引っ掛かるといえば引っ掛かる。記事で触れていたのがそういった内需のみで、外需に関してせいぜい「円安もあって自動車向けが底堅い」と触れてあるのみなのはそんなわけだろう。
 

 しかしそれでも「トヨタがしっかりしていれば……」という面があって、15面(企業1)トップに、昨年末新発売のFCV(燃料電池車)「MIRAI」(ミライ)の生産台数を、年末に2100台、17年には3000台に引き上げていくという記事が出ていた。700万もするにもかかわらず受注が好調なのだという。
 アベノミクスの恩恵をフル享受した富裕層、あるいは企業・団体ばかりなのだろう、今度はMIRAIを乗り回して方々に見せびらかしたいわけだ(?)。せいぜい嫉妬心旺盛な輩による当て逃げやとんだ言いがかり、タイヤのパンクその他諸々には十分注意することだ(?)。とにかく新日鉄住金にとって上得意なので、今でこそ微々たる数だがこういったことも、将来的に必ず追い風になろう。