今年からいよいよ年4回か!?『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』。

 正月3が日ラストの特番のMy特選たる、テレ東の名物シリーズ『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』第19弾……今回はMy故郷中の故郷、大阪城でのオープニングからJR&京阪電車京橋駅前からのスタートだ。近鉄バスで住道(すみのどう)方面から北上し京阪萱島に出て、寝屋川から枚方、そして京都府に入って八幡を行く京阪本線を沿っての行程は、かつての生活習慣的エリアでもあり嬉しかった(!)。

 ただ、蛭子能収が初日から早速やらかしてくれたのは、らしいと言えばらしかった(?)……京阪バスで寝屋川から枚方に移動中、終点手前でバス代用の小銭を車内に撒き散らしたのだ。車内が結構混んでいて、スムーズに降車すべく早めに用意しようとしたらしいが、財布をひっくり返したという。「小銭散乱」は10年夏の第7弾、青森発新潟行きの際にもあったが、初日に弘前で降車直後に道路で躓いてのことだ。今回は初のバス車内、しかもよりによってMy故郷においてである(?)。
 ここで余談ながら最近思うのだが、もうそろそろバス賃くらいSuica等のICカードで払ってもいいんじゃないか?? もちろん地方の中には未だ対応していないエリアなりバス会社もあるが、こういった都市圏では今やSuicaでもPASMOでも何でも1枚あれば、今回のこのICOCAエリアでも使えるシステムになっている(但し複数エリアの越境利用は未だ無理、一つのエリア内の利用に限る)。

 更に蛭子はもちろん(?)太川陽介も「住道」を「すみみち」と読んでいたが、3年前の第11弾、マドンナいとうまい子で高松発伊勢神宮行きの時に一度経由していて、止むを得ないとはいえ忘れてしまったようだ。逆に中書島辺りではさすが太川、栄えある第1弾で通った道(京都駅→中書島駅)を覚えていたが、大津へ向かいたい都合で京都中心部に寄ると遠回りなるからと、結局そこは回避した。

 しかし2日目の福井・食見(しきみ)の宿で聞いた話には、僕も愕然とした。先刻小浜で聞いた地元コミュニティーバスが、何と「地元在住の高齢者、しかも事前登録した人しか利用できない」という初耳的な話だったのだ。小浜の案内所ではそこまで把握していなかったようだ。厳然と徹底した地元高齢者専用バスなのだろうが、一昨年の第14弾の初日、岐阜・洞戸(ほらど)のように「地元が運営している無料コミバスだが、ヨソ者も無料で利用OK」というケースまであったのに、ヨソ者として食見の住民には申し訳ないが、これには太川でなくても愕然とする(!)。

 また、3日目の福井・美浜では冷たく降りしきる小雨の中、マドンナの歌手マルシアが「足が……腰が痛い」とギブ寸前、リーダーの男太川が「その荷物貸しなさい」「(マルシアが遠慮し)でもそんなに重くない」「いいから!」とマルシアの黒バッグを持ってあげたのは、なかなか泣かせた(!)。オープニングで「1日200歩しか歩かない」と豪語(?)していたマルシアで、行程が進むにつれやっとエンジンがかかったか、「歩きは嫌だ」とダダをこねることは少なかったが、「やはり普段から歩かなきゃダメだ」と反省したのは、今回の出演でまた一つ成長した証しだろう。
 ましてや4日目最終日、JR北陸本線大聖寺駅前で「ここで協議するのも時間の無駄。歩こう」と進言したのに至っては、完璧に生まれ変わった感がある(?)。初日こそ何気にワガママ感や投げヤリ感があったが、3日目の後半辺りから最終日にかけてはもうすっかりマジになっていて(?)、「1日200歩」というワガママまで完全に封印されていた。折から娘さんからのメールでもあったからか、疲れや痛みを堪えながら、最低数キロは歩く覚悟にまでなった。一昨年夏の第15弾、さとう珠緒のように万歩計まで用意していなかったから分からないが、今回の旅で4日間延べ800歩ばかりか数万歩は歩いたんじゃないか??

 あと、3日目に福井の国道8号で2ヵ所、クルマの通行量が多い所へロクに歩道ばかりか歩行スペースすらなく、悪天候も加わりさすがに歩行には危険な個所があった。そこで収録スタッフと協議の末、ロケ車に乗って歩行スペースのある地点まで移動という特例措置となった。シリーズ初のケースで、前例ができてしまったとはいえ、あくまで事故回避のための特例措置、今後はそうそう発動されまい。一方で我々的には、事前にクルマの用意とか、ヒッチハイクで他人に乗せて貰えることでもない限り、マネも不可能ということだ。

 そして最終4日目にかけて泊まったのは福井の織田(おた)で、早朝に蛭子が織田信長像を見つけ、「ここと何か関係あるのか!?」と言った通り一族発祥の地で、かつ、越前二の宮劔神社なる氏神まであるという。そもそも今回は「豊臣秀吉発、その盟友・前田利家着」とも言い換えられる行程で、秀吉に討たれた明智光秀に本能寺で討たれた信長、と奇しくも見事な歴史つながりとなった(!)。初日大阪城のお堀前でのオープニングで「歴史の旅か」(蛭子)「始まったら関係ない」(太川)との掛け合いがあったが、蛭子が言った通り見事歴史を紡ぐ旅になったではないか。
 因みにそこは、JTB時刻表を見るとJR武生からバスが出ていて、武生も武生で特急「サンダーバード」の大部分と「しらさぎ」全便も停まる中堅都市だ。訪れたことがなく数回北陸本線に乗って通過しただけなのでよく知らないが、宿泊も含め観光には不自由しなさそうだ。

 今回は普段の2時間半から1時間増、3時間半の特大枠で近年既に何回かこういう拡大がされてきた。そして昨年9月13日も言った通り、シリーズの回数もいよいよ今年から1回増の年4回、言わば事実上の「四季折々のバス旅シリーズ」に踏み切ろう。ただ、僕的に依然、蛭子の健康が心配なのは心配だが……本人がおくびにも出さないので、余計心配ではある。