中韓からの訪日客増……数少ない円安メリット。

 今日の朝日朝刊3面と7面(国際)に、今年も日本を訪れた中国人や韓国人が増加したという記事が出ていた。政治のレベルでは日中、日韓ともに歴史認識や領土等の問題を抱えていて、彼らにとってもそれらは看過できないことではあっても、「それはそれ、これはこれ」と割り切って日本文化に親しんでもらっている。日本人の端くれとして実にありがたいの一言だ(!)。

 日本政府観光局(JNTO)によれば、今年11月までの訪日中国人数は約222万人で前年同期比約1.8倍増という。ただ、北東アジアの国・地域別で見たトップが台湾で約282万人(同27%増)、あと韓国が248万人(同9.3%増)、香港が約82万人(同約20%増)で、欧米その他も含めた外国人全体では過去最多の延べ1300万人を記録した。
 

 中国に関しては、12年9月の尖閣国有化等の2国間問題で落ち込んだが、以降「日本への忌避感が和らぎつつある」(JNTO海外マーケティング部)ところへ、今秋の日本の「異次元の金融緩和第2弾」による急激な円安が大きい。また、10月から化粧品や食品等も免税対象になり、「お土産消費」にも追い風になっている。

 こういった北東アジア人に限らず欧米等の親日家も大部分がそうだが、訪日する動機に共通するのが「日本文化が好き」のほぼ一点だ。それはプライベートでの旅行はもちろん、ビジネスでの訪日の際も仕事さえ引けたら、帰国前に時間が許す限り大なり小なり文化に触れる機会を得ているはずだ。
 古都の京都や奈良に鎌倉、富士山、摩周湖その他大多数の観光資源や、すしや日本酒その他大多数の日本食、漫画やアニメ、ドラマその他大多数の娯楽等々、こんなちっぽけな国土の上に彼らの祖国にはまずない文化が満載されている。なので1日や2日、ましてや1回や2回訪れただけでは十二分に満喫できまい。