無限に広がる大宇宙に馳せる夢とロマン。

 今日の日経朝刊15面Sunday Nikkei(サイエンス)に、この季節に晴天の夜空を彩る、オリオン座にある赤い1等星ベテルギウスがもうそろそろ寿命、超新星爆発を起こして臨終を迎える、いや、もう既に起きたかもしれない??という記事が出ていた。各地の大学チームの観測で、星の直径が従来の2〜3倍に膨張した可能性を示唆していたり、NASAの4年前の観測では、星の球形が梅干しのようにボコボコしていた、といった様々な根拠から推測されるという。

 地球から約640光年彼方にあるベテルギウスの大きさは太陽の約1000倍、質量も20倍あるが、表面温度が太陽より2000℃以上低い約3200℃なために赤く見える。「2〜3倍に膨張して赤い」ということで「赤色超巨星」と呼び、星としての臨終間近、次にいよいよ超新星爆発を起こす段階だ。その膨張度合いは半径約7億キロにもなり、木星の公転面にほぼ匹敵する。
 超新星爆発の見え方は「発見以降向こう1年ばかり、日中でも輝いて見える」といい、史上最大の天体ショーとなる呼び声も高くなろうと、世界中の天文学者による目下の注目の的だ。

 ただ、オリオン座の「右肩」つまり左上に見える星が1個欠けるわけで、遂に星座の体を成さなくなる。もっとも星座というのは所詮、大宇宙に何の断わりもなく、地球人が勝手に何光年も彼方にある恒星同士を架空の線で繋いでは、ご丁寧に絵まで添えて命名したものに過ぎないから(?)、何万年も何億年も生きる星といえども永遠の命ではない以上、星座にも「寿命」があるのだ。

 こういったように、最近改めて壮大な宇宙の夢とロマンに思いを馳せては、日々抱くチッポケな悩みを忘れさせる機会を持つようになった。何年かに1回ニュースになる「77年(昭和52年)にNASAが打ち上げたボイジャー1号・2号は今!?」は必ず見るのはもとより、フリー百科事典Webサイト「Wikipediaウィキペディア)」では、暇さえあればボイジャーに関する記事を読んだり、貼り付けてある関連サイトにまで飛んでいくこともある。


             

                        ボイジャー1号



                        

                        ボイジャー2号

 その関連サイトによると打ち上げから37年が経ち、ボイジャー1号は地球から190億キロ超のところを秒速17キロ少々(実にマッハ60、時速6万キロ少々)、2号は160億キロ超のところを秒速15キロくらいでそれぞれ飛行中で、共に既に太陽系はもとより太陽風が届かなくなる境目の太陽圏まで飛び出し、星間空間に突入したという。My概算では1号が来年3〜4月には200億キロに到達するので、果たしてニュースになるかどうか……星間空間では文字通り何も無いだろうから、機体そのものの現状と今後の推移をサラッと触れる程度かもしれない。

        05年5月当時のボイジャー1号の航行位置。現在は太陽圏外にいる。