「月間平均粗鋼生産950万トン」はほしい(?)。

 今日15時26分配信の日経電子版に、14時半に日本鉄鋼連盟が発表した7月の粗鋼生産量が929万6900トンと、前年同月比0.5%、前月比でも約1万7000トンの増となった。炉別の内訳は、転炉鋼(新日鉄住金等の高炉メーカーによる自動車・家電向け)が1.7%増の735万0400トン、電炉鋼(東京製鉄等)が3.9%減の194万6500トンで、前者は最近そうでもない円安進展(?)による相対的な割安が寄与し、特に東南アジアで伸ばしたことで5カ月連続増、後者は、中でも産業機械に使う特殊鋼が12カ月連続で前年を下回り、水準を押し下げたという。
 以前も言ったが一部では、年間の粗鋼生産量1億トンが業界の損益分岐点的目安と言われていて、その伝でいけば月平均833トン少々となる。何年か前に当時の新日鉄等が過去最高益を弾き出した頃、粗鋼生産量が1億2000万トンをマークした年もあったので、単純に最高益更新には再度の「月1000万」が必要だが、今そこまでのニーズがあるどころか未だ中国の鉄鋼インフレに悩んでいる最中でもあり、残念ながら過大在庫になるだけである。
 昨日19日付の日経朝刊16面「景気指標」でも、一番生産量があったのは5月の962万5000トンで、あとは900万代前半が今回の分も含め4回、800万代前半%&後半が各1回づつとあるが、今後「950万」辺りをコンスタントにカウントするようになれば、希望も見えてこよう。が、相変わらずそれを阻む天敵は鉄鋼インフレ、それに金利上昇と円高だろう。