週明け一瞬売り材料にはなろうが……物産今期CF減。

 今日の未明2時ジャスト配信の日経電子版、並びに日経朝刊13面(投資・財務)にベタでないにせよやや小さく、三井物産の今期フリーキャッシュフロー(純現金収支)がマイナス3000億程度と、過去最大幅になろうという記事が出ていた。前期がマイナス2918億で、主に2つの要因があるという。
 「資源分野中心に、前期比約400億増の合計約1兆もの大規模投融資を計画」
 「資産売却等による投資回収が、前期比約500億減の約1700億」
 その1兆の内訳は、豪州鉄鉱石への拡張投資や油田権益獲得といったお得意の(!)資源分野が6割、機械やインフラといった非資源分野が残り4割だが、来期以降はその「6割部分」が一服する見通し、かつ、来期以降の新中計でフリーCFを黒字転換する方針ともいう。
 物産のフリーCFは、今から6期前の08年3月期以降プラスだったものの、お得意分野への投資で2期前の12年3月期からマイナスに転じていた。日経会社情報ではフリーCFを「営業CF」と「投資CF」に分けて掲載していて、確かに前々期は前者プラス3810億、後者マイナス4382億と合計で約571億のマイナス、前期は同様にプラス4614億、マイナス7533億の計約2918億のマイナスで推移している。
 先日14日付の英FTの記事ではないが、確かに今、豪州産鉄鉱石価格がまた堅調に推移しているところへそういった投融資計画である。なのでタイムリーといえばタイムリーかもしれないが、当然のこととして、投融資が実を結ぶのはまさに「桃栗3年柿8年」の如くそうすぐにはいかない。その間の相場下落リスクがない保証もない中では、あさっての東証で瞬間的売り材料にもなろう。ただ、事実上「もう今期限り」との方針でもあろうから、あさってそれで売られて織り込めば、あとは鉄鉱石相場が、目先はともかくあくまで長期的に堅調トレンドでい続ける前提で、後々買い材料に変身しよう。また、とりあえずは9月期決算や来春の期末決算の発表時にでも、物産から直接詳細を聞くことにもなろう。