一部閣僚からの「一撃」(?)で日経平均大幅反落だが……

 今日の東証は昨日の欧米市場が軟調(英FTSE24.51安の6587.43、NYダウが113.35ドル高の13752.94ドル)だったり、おととい昨日までの日経平均上げ幅が530円ばかりと案の定調整気分もあり、200円超下げて1万3845円で寄り付いた。そして10時48分に一時70円安の1万3981円まで戻したところで、直後11時過ぎか、政府からこういった発言が相次いだ。
 菅官房長官「安倍首相が法人税減税にまつわる指示を出した事実はない」
 麻生副総理兼財務・金融相「今法人税減税したところで、実際納税しているのは3割ばかりなので効果が少ない」
 ただでさえ夏枯れ相場のところへ、おとといのその13日付日経朝刊1面トップの記事を事実上否定した「一撃」は(?)相当なものだったようで、今日は後場に入っても下げ渋るどころかヤレヤレ売りが続いたか、東京外為でもまたまた円高反転(ドル円97円台後半、ユーロ円129円台後半)したのも手伝って、結局297円22銭安の13752円94銭で引けた。もっとも麻生氏はもともと経営者出身で何より現職の財務相なので、常々そう語っていたから特段サプライズでもないが、その「官房長官談話」だけは格好の売り材料になったようだ。
 しかし今日の日経CNBCの解説でもあったが、今少し冷静にならなければならないのは、「今般首相は指示していない」と言うにとどまっていることで、決して「法人減税しない」とまで言っていない点は、誤解や早合点しない方が賢明だろう。連日の猛暑の影響もあって、数少ない市場参加者の中にその発言を聞いた瞬間、カッと頭に血が上って持ち高全部ブン投げたとかした面々はいないだろうか(?)。
 一方で事実上、面子を真っ向から潰された日経側は、この時間において別段目立った「巻き返し」的動きは電子版を見る限り窺えないが、仮に誤報でない自信があれば、明日の朝刊社説辺りで猛然と「怒ってくる」かもしれない(?)。ただそのスクープに関しては、13日夕刊でも昨日14日朝刊でも、少なくとも朝日&読売は全く追いかけていなかったので、下手をすれば新聞ならたまにある「勇み足的誤報」の線もあるかもしれない。そうなったら、読者からの抗議が殺到しかねないのはもとより、来週発売の各種週刊誌の格好のネタにされてしまうのもあり得る。
 ともあれ、我が2銘柄も新日鉄住金が2円安の304円、三井物産が1円高の1415円となったが、思わぬ逆風襲来があったにしてはロクに急落も節目割れもせず、並みの台風ではビクともしない大木の如くというか、「風林火山」の山の如しというか(!)頑として踏みとどまったと思う。