今夏のMy課題図書(?)は 『パナソニック・ショック』!

 3日前に更新されたはてなダイアリー今週のお題が「夏に読みたい1冊」だというので、僕的に常々言ってきた『メディアの興亡』(杉山隆男著・文藝春秋・86年)はもちろんだが、最近上梓され是非推薦したい1冊がある。
 その名も『パナソニック・ショック』(立石泰則著・文藝春秋)。偶然また文藝春秋で(?)ゆくゆく当ブログでも内容の要約を取り上げることになろうが、まず得た結論としてはこうだ。
 「少なくとも幸之助の思想は、今や子供騙しながら間違いは少なさそうだ。逆に近年の経営陣に間違いが散見され、それが2期連チャンで7000億からの純損失を招く苦境の引き金になったのは間違いなかろう(笑)」
 パナソニック、いや、旧松下電器産業という企業は山下俊彦、谷井昭雄といった、創業家と一線を画そうとし、人と共に技術を大事にしようともした気骨のある社長の時代で事実上終わっており、山下・谷井路線を否定し、幸之助の児戯に等しい薫陶すら受けずにきた森下洋一以降でダメにしたのだ。「V字回復の嘘」とも批判された中村邦夫から、前社長で単なる社名変更だか三洋電機買収だかにとどまった大坪文雄が、決算そのままにトドメになったと言えよう。どうやらどう頑張っても津賀一宏が最後の社長となる公算が大きく、だから株主総会翌日の6・27にも言ったが、悪いことは言わないから今の株主は近いうちに(?)全株処分することを勧めると、新日鉄住金三井物産の株主としてもう一度だけ忠告しておく。