今日はイタリーの国債格付け引き下げが悪材料か!?

 今朝7時半に起きて日経電子版を立ち上げると、欧米株が続伸で引けた反面、為替が円高基調とりわけユーロ円が1円前後円高に振れ、129円20銭台に至っていた。日経CNBCで見たテレ東『モーニングサテライト』Repeat放送で、材料は伊国債格下げという。
 早速電子版にあたると4時03分配信の記事で、米格付け大手S&Pが、長期国債格付けを「トリプルBプラス」から「トリプルB」に1段階引き下げ、格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」とした。理由は経済成長見通しの悪化や、金融政策の波及経路が損なわれている点だ。もっともS&Pが着目したセクターは民間部門で、労働コストの高止まりや伊企業の世界シェアが低下していると断じ、企業向け融資の実質金利も高止まっていて、ECBのせっかくの金融緩和政策が行き渡っていないともいう。
 それにつれて今日のシカゴ日経平均先物がジリ安で寄り付いた。後刻のシンガポール日経平均東証の寄り付きもどうなるかわかったものでもないが、昨日の欧米株は英FTSEもNYダウも続伸で引け、それぞれ63.01ポイント高の6513.08ポイント、75.65ドル高の15300.34ドルだった。格付けの発表時刻が、米時間や欧州時間の何時だったかまで記事に出ていなかったのでよくわからないが、電子版の配信時刻が日本時間4時03分だったことから、どうやら各国株式市場ザラ場では伝わっていなかったようで、引け後に為替が反応した格好だったろう。
 ただ、格下げ材料が民間セクターの問題にとどまっているとも受け取れなくもなく、いわばイタリー固有の問題であって欧州全体に蔓延するところまで至らないとの祈り含みで(?)捉えたいところでもある。