シャープにまで恨みなどあろうはずないが……

 今日シャープの株主総会があるらしく、日経電子版でもこまめに配信記事の更新がされているが、経営陣からの陳謝に始まって……
 「おごり、高ぶり、チャレンジ精神が欠如する、いわゆる大企業病が経営不振の原因」
 「一言一句に創業以来の不変の精神が込められている経営理念、経営信条をいつしか忘れていた」
 「液晶への集中投資で00年以降に規模が大きくなったことは間違いではなかった」
 「しかしリスク対応が不十分だった……液晶に『おんぶにだっこ』で、ヒット商品を生むことができなかった」
といった言い訳が数々聞かれたという。
 もうこの辺の似たような言質は明日パナソニックでも聞かれる公算大だが(?)、結論から言えばシャープもシャープで「近いうちに」(?)淘汰されても仕方がない。いや、勤めたことがないのでパナや東芝で受けた人権蹂躙的仕打ちなど一切なく、ずっと携帯や液晶テレビ、BLレコーダーのユーザーとして接してきたので、感謝しこそすれ恨み辛みなどあろうはずがないのだが、一見直接関係ないながら、新日鉄住金三井物産の株主としてシャープやパナが未だ東証1部、なかんずく日経平均採用銘柄に居座っているのが我慢ならないのである。こういうゾンビ企業が未だ市場でノウノウとして足を引っ張っているのも、昨今の株式市場がまた軟調に推移している一因だからだ。
 そもそも90年代前後にパナにはパワハラから有休カットと言うに及ばず、恋愛結婚の妨害というプライベート面まで人権蹂躙的な酷い目にあわされたので、シャープには期待し続けていたのだ。テレビ等でパナがペシャってもシャープがいれば御の字、逆に「邪魔やからさっさとパナ潰れろ!」と考えているのも、株式市場でもコモディティ市場でも労働市場でも、僕だけでもなかったろう(?)。しかし先日買った日経会社情報夏号1092ページにパナと並んで出ていたが、QUICKコンセンサスにおいて今後数期でも売上も利益もそうそう回復しないばかりか、配当予想に至ってはずっとゼロだという。また、ROEも4%、自己資本比率もたった6%と出ていて、最早株式価値ゼロへ向けてまっしぐらという有様である。
 シャープの株主や債権者でもないので直接利害もないが、近年何やら裏切られた気分にも陥っている。こういう銘柄にまで不思議と売買代金が向かっているからこそ、今期以降本気で頑張っていこうという銘柄まで足を引っ張られ、間接的に全く畑違いの銘柄を保有する株主にまで含み損が波及するのである。