まさに待望の世界遺産登録。

 カンボジアの首都プノンペンで昨日から開催している、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の第37回世界遺産委員会が今日夕刻、ようやく富士山の世界文化遺産の登録に至った。それはそれはもう、僕的にも随分待たされた瞬間である(!)。これを受けて後刻、安倍首相はこういう談話を発表した。
 「私たちの富士山が『世界の富士山』になった。ゴッホの絵にも描かれた富士山はまさにクールジャパンの元祖。登録を機に政府も海外への発信を強化し、多くの外国の方々にも日本に足を運んでもらい、富士山を見てほしい」
 もうこういう談話を待つまでもなくかねてから、好天に恵まれた日中の東海道新幹線などだと、のぞみやひかりやこだまを問わず、また普通車やグリーン車も問わずD席E席から埋まっていき、とりわけ外国人旅行客が携帯やコンパクトのカメラで写真を撮りまくっていることからも、世界的な富士山人気が窺える。僕は車内から撮影することはなく、地元静岡の富士市を訪れた際にたまに撮って帰る程度だが、そういう光景を見るたびに日本人として嬉しくなる(!)。彼らにしてみればそうそう訪日できるわけでもなかろうから、ましてやスーッと通過するだけであればなおのこと、そこでのチャンスにかけて撮影に熱心になるのも当たり前で、ホントに微笑ましくもある(!)。
 それにしても今回が日本で17番目とは、返す返すも意外に思うのは日本のみならず世界中で見ても僕だけではなかろう。もっと早くに富士山が世界遺産になっていなければならなかった思いは、少なくとも日本人にはほぼ共通していよう。あの末広がりで夏季を除いて山頂に程良く白い雪がのっているという自然が織りなす造形美を誇り、しかも観光地でありながら一般居住地域からでも毎日のように眺望可能な山は、世界的にもそうなかろう。にもかかわらず今日の今日まで世界遺産になれなかったのは、ユネスコに言わせれば富士山があくまで休火山であって、歴史的に見て遠い将来にでもいつ噴火するかわからないという潜在的な考えがあったのかもしれない。