これほど“大車輪”の日立に勝てるのか、東芝は!?

 今日の日経朝刊11面(企業1)に、日立の中西宏明社長に日経が単独インタビューしたという囲み記事が出ていた。その中で中西社長自ら、世界60社を相手にトップセールスに駆けずり回っているという。
 60社の全社名はさすがに文字通りのトップシークレット、企業秘密のようだが、僅かにサウジのサウジアラムコや伯のペトロプラス等の国営石油会社、資源大手の英豪リオ・ティントや英アングロ・アメリカン等を明かした。日立は15年度までの中計で「連結売上高10兆、同海外比率5割」を掲げていて、成長著しい60社を将来の重要クライアントとしてピックアップ、社会インフラ等の国内市場の限界を補いながらの成長戦略のようだ。
 中西社長のこういった“大車輪”的活躍は、社長である以上当然といえば当然かもしれないが、一方で突発的な事件や事故、病気、怪我等に巻き込まれる心配もあろうかと察する。しかしさぞかし社長に言わせれば「だからそんな時に備えて副社長を4〜5人置いている。彼らだってそんな自覚くらいあるはずだ」といったところだろう。

 それに引きかえ、僕が昨年11月21日までいた東京府中にある芝府エンジニアリング、その全額出資会社でもある東芝はといえば……先日20日発売の『週刊現代』に、今春発表されたこの6月のトップ交代人事で、西田厚聰会長が佐々木則夫社長を副会長に据え、新社長に田中久雄副社長を昇格させるという内幕が出ていたが、その中で西田の、よく言えば独白インタビュー、悪く言えばグチが(笑)長々とあった。この人事はサプライズと受け取られているらしいが、西田による佐々木の事実上の更迭のようでもある。
 曰く「売上、利益目標を一度も達成できていない。利益が出ていても、それはリストラ頼み」「社内で会議ばかりやっている」等々あり、そんな中に「グローバル競争が激化する中、日立の中西さんはどんどん海外を飛び回っている一方、ウチの佐々木は海外経験がないにしても腰が重過ぎる。社長の行動力その一点においてもストレートに株価に表れている」といったこともグチっている(笑)。
 因みに今日の東証での終値は、日立が昨日22日比56円安の712円、東芝が34円安の508円だ。日経会社情報の目下の最新号である春号を見ると、双方の発行済株式数がそれぞれ48億3346万3000株、42億3760万2000株と出ていてそう大差がない……ってゆーか、日立の方が6億株ばかり多いのに、株価が200円ばかり高いときているので、単純に時価総額が1200億円もの差、競馬で言えば10馬身かそれ以上もの開きがあるように見える!(笑)新日鉄住金の95億株のような、超大型株で割安ならまだいくらでも弁解できようが、日立と東芝は銘柄コード№が1つ違いなので言わばお隣さん同士、東証アローズや新聞各紙、証券会社店頭の株価欄でも縦なり横なり並べて表示され、西田にとって連日不愉快なことこの上なかろう!?(笑)

 そういえば僕も思い当たるフシがないではない。西田から佐々木に社長交代したのが09年だが、それを境にいわゆる東芝府中、そして僕が所属していた交通ドライブ製造課(略称・交DS)でも生産量がどんどん減っていった。挙げ句昨春に他部署へ応援、程なく今問題の「介護切り」に遭ったわけである。そもそも府中交DSに配属されたのが西田時代の06年11月で、その頃は逆に連日残業&ほぼ毎週土曜休日出勤だったくらい多忙だったものだ。
 確かに現社長がそうもだらしなかったことと、僕の部署の“縮小均衡化”との因果関係は定かでもないが、少なくとも下の者が上の者を見て仕事する以上、因果は大いにあると考えるのが妥当だろう。また、6年ばかりいてわかったが東芝には伝統的にかどうか、イレギュラーが起きた時に必ずといっていいほど上が下のせいにする風土があって、同じ人権蹂躙会社でもそこが僅かにパナソニック以下だと思っている(笑)。パナはまだ上が下を庇えるだけ庇う風土も残っているものだ。そのせいか、交DSでも課長のT花や製造長のN津、中間検査技長のA部、芝府でも担当部長のO竹や直属長のT橋などなど「なんでそうまで言うかねえ〜!?」という、ネチネチとした皮肉屋なり小言屋が、今風に言えば「うようよいた」(苦笑)。もうとにかく下にはめっぽう強いくせに(?)上や権威・権力にはからっきし弱いという、今振り返っても情けないの一言の奴らだった(怒!!)。

 ともあれ、トップから末端の現場に至るまでそんな程度のレベルでしかない東芝が、トップが自ら営業に飛び回り株式価値も大差の日立に勝てる要素などどう考えても皆無、来月から海外経験のある田中に代わるといっても東芝が日立に勝てっこないのは変わるまい!!