もう「復活のカギ」も何もないんだが……

 今日の朝日朝刊14面(金融情報)の名コラム『経済気象台』に「家電産業復活のカギ」と題して、前3月期決算が出揃い、円安効果で自動車産業が相当潤った反面、家電産業がそうでもなくとりわけパナソニックやシャープが5000〜7000億円台の純損失を計上、今後をどうするかという記事が出ていた。
 各社が業績回復のカギとして電子デバイスや住宅関連等々を挙げているが、成長の牽引役かどうかまでは疑問、ましてや80年代に既に多くの拠点を海外移転しており円安メリットも希薄、更にはその海外にも韓国サムスン電子や中国ハイアール等々の商売敵がひしめいていて、まさに前門の虎後門の狼状態だ。
 そこで米IBMやGEに倣い、大胆な構造改革、果てはM&Aをも視野に入れた、企業の壁を超越したスクラップ&ビルドが必要ではないか。そういった事例は日本ではまだ皆無だが、むしろそうだからこそ「復活のカギ」だと思うと結んでいる。
 朝日のこのコラムは日経本紙の『大機小機』『十字路』や日経産業の『眼光紙背』、毎日の『経済観測』共々コンパクトながらハイグレードな内容に定評があるが、残念ながらこういったコラム、いや、新聞自体を読まない輩が「うようよいる」(?)近年、もう馬耳東風以前の問題である。なまじ読むにしても「気楽なコラムニストの戯言。じゃあ言う通りにして失敗したら責任取ってくれるんか!?」とか言って「目も貸さない」他力本願的輩も多かろう。
 僕の経験から言っても、20年前にいた松下電器ディスクシステム部(現パナのAVCネットワークス社)では、まあ何と話の合わない輩が「うようよいた」ことこの上なかった(?)。当時から新聞・雑誌をとり過ぎたせいもあろうが、こんな僕を94年一杯で事実上追放した故事があって、それが組織の「新たなDNA」になってしまってこの20年を過ごしていたとしたら、明らかに再起不能である。