「OD05」は日本市場の敵か味方か……!?

 今日の日経朝刊1面準トップに、かねてから中国政府系ファンドとの憶測があり、確か昨年いつだったか日経ヴェリタスでも取り上げていた、というか今日もまるで申し合わせたかのように取り上げている「OD05オムニバス」……一体全体「単なる大株主の個人」なのか「機関投資家」なのかも不明という、不気味な“個人ないし団体”(?)が取り上げられていた。株式保有額が08年と09年(共に3月末)こそ1000億円程度に過ぎなかったのが、10年(同)には約5000億円、11年(同)には一気に約2兆5000億円(!)、そして12年(同)には3兆5800億円にまで達し過去最高、日本の明治安田生命(一般勘定で約2兆6500億円)をも上回る規模だという。
 記事ではトヨタや三菱UFJ、ホンダ、三菱商事、日立……といったような各業種のトップクラスの「ザ・日本の会社」という保有銘柄がズラリとあるが、持ち株比率がおおよそまだ2〜3%に過ぎず、一昨日最新号が出た会社情報や四季報に載る大株主順位も大体5位前後と、経営への関与なり影響という点では現時点で神経質になることもなかろうとは思う。記事の末尾でもOD05は3月末時点で174社にものぼるという、そういった投資先にこれといった要望は一切出していないといい、“持たれている側”も特にアクションを起こさないともいう。
 しかし、それが「嵐の前の静けさ」なのか、純粋に昨今の歴史的底値にある「日本株式会社を応援する」という“正義の味方的存在”なのか……仮にOD05が憶測通り中国系だとして、今月から為替で円と人民元の直接取引もスタートしたことだし、純粋に利益追求第一ならば、やがては何らかのきっかけで保有株の売り圧力としても作用しかねないとも見える。因みに、一昨日買った日経会社情報夏号を見ると我が3銘柄にも顔を出しており、新日鉄が1億1729万株(第10位・比率1.7%)、住金が7631万株(8位・1.6%)、三井物産が4299万株(3位・2.4%)……これらと今日の記事とを合わせて考えると、どうもOD05は日経平均銘柄の大半を多かれ少なかれ保有しているようでもある。