毎日も電子新聞スタート(!)だが、端末がスマホとタブレットのみは遺憾。

 今朝たまたま手にした朝刊で、先に前述の朝日のあと日経本紙に移り13面(企業2)に、また、後で気がついたが日経産業新聞5面(デジタル・サービス)にも、毎日新聞グループホールディングスが有料電子媒体「TAP−i(タップアイ)」を今日創刊するという記事が出ていた。なのですぐ毎日を手にし、1面と4面(特集)、25面(総合)の社告に目を通した。
 一応8月末まで無料で9月以降、月極め税込900円で毎日の定期購読者は500円に割引きになるという。しかも先行する日経や朝日、読売と違って、持ち株会社・毎日HDのもとで毎日のみならずスポニチも読めるということで、スポーツや芸能関連の記事はもちろん、競馬・競輪等の中間の状態や予想の記事も読めるのだろう。ただし使える端末がスマホとiPad等のタブレットのみ、従来型携帯はもとより何とPCすら使えない(!)という読売以上の幅の狭さで、残念ながら極めて遺憾である。
 それにしてもよもや毎日も電子新聞を始めるとは思っていず、日経や朝日、読売といった、経営が更に苦しい昨今ながらも何とかまだ体力が残っているとか、東奥日報やデイリースポーツといった一部の地方紙なりスポーツ紙のように、もともと小規模なので小回りが利いて始めやすいといった新聞社に限られようと見ていたのだ。
 愛読書『メディアの興亡』(杉山隆男著・文藝春秋)を読破して以来四半世紀近く経ち、僕的にずっと思い続けてきたが、毎日に関しては、紙面上こそ68年4月17日付朝刊1面トップ「八幡、富士製鉄合併へ」といったスクープが象徴するように、「最古の全国紙」の貫録で先手先手で朝読日経に十分太刀打ちできるにもかかわらず、こと経営面では長年に渡って時流に乗れず、対応が後手後手に回ってばかりなのが歯がゆかったりする。が、今回思いっきり後追いかつ“不十分”ながら電子版スタートに踏み切ったのは、毎日なりに一歩前進と見たい気がした。