JFEの1兆円設投計画(!)&期末決算。

 今日の日経朝刊11面(企業2)トップ「戦略分析」で、「日の丸鉄鋼ナンバー2」JFEホールディングスが取り上げられていて、15年3月期までの3年越しで直近3年間比25%増、1兆円もの設備投資(!)を盛り込んだ中期経営計画をまとめたという記事が出ていた。国内外で生産設備の能力増強&更新でコスト削減を目指すといい、新日鉄の直近3年間における8800億をも上回る規模……ましてや、あと半年を切った今秋10月イッピに発足する段取りの新日鉄住金が、目下の粗鋼生産量(年間合算)5000万トンから6〜7000万トンに引き上げるべく更なる投資額上積みに踏み切るのが必至で、その対抗策だともいう。
 言わば早くも新日鉄住金を追撃する態勢を整える“川鉄NKK”とのことで、「敵さんヤルねえ!?」と思った次第だが(!)、残念ながら今日の東証では売り材料視されてしまったようで、後場立会い中13時半発表の12年3月期決算と相まって昨日比53円安の1557円で引けた。記事で「その資金調達のため社債発行か借り入れか……」とあり、日経CNBCでも「借り入れるとバランスシートが傷むし、増資等ファイナンスすれば株式価値とかの希薄化……いずれも市場で嫌気される」との銘柄解説があり、どうやら今日に関しては格好の売りターゲットにされたようだ。
 そしてその決算発表で、売上高が3兆1665億円で11年3月期比1%減、従来予想3兆2000億円との比較でも335億減、営業利益447億で76%減(400億の予想比47億増)、経常利益529億で68%減(400億の予想比129億増)、純利益、いや“損”だが366億の赤(400億の赤の予想比でもマシ)となっていた。明日の日経朝刊や週明けの日経産業、日刊工業で解説が載るだろうが、新日鉄や住金、神戸製鋼等と同様に昨年来の大震災やハイパー円高、タイ洪水、持ち合い株の評価損の影響があったという。なお、今期予想はひとまず未定にしたというが、日経会社情報最新号には日経見立ての予想は出ているので、会社四季報にも東洋経済見立ての予想が出ているはずだ。