中国鉄鋼業界の思考回路は最早理解不能(?)。

 今日の日経産業新聞12面(国際)に、中国の宝鋼集団(上海)等の大手鉄鋼5社の12年粗鋼生産計画量が明らかになり、前年実績比8.3%増の7392万トン……この%は、かの国の業界団体がはじき出す「オールチャイナ」の伸び率2.5%をも上回るという記事が出ていた。かの国では未だに過剰生産続行中で、鋼材需要がこの先高成長が期待できると各社が設備増強&フル稼働させ、言わば“増産競争”に陥っているのが大きな要因という。しかし当然ながら足元では収益環境が歴史的厳しさに直面していて、その思惑に反する需要鈍化や、昨年ほどでもないにせよ原材料の高価格で各社の業績が急速な悪化を見せている。
 昨年も5月11日付日経産業で触れられていて僕もブログにしたが、このほど中国独禁当局が新生・新日鉄住金の10月発足を認めたにもかかわらず、また、先般の全人代で今年のGDPベースの経済成長率を、あえて巡航速度に落とす7.5%とする施策を打ち出したにもかかわらず、少なくともこの約1年ロクに生産調整もせず「まだ鋼材需要は上向く」と半分錯覚に似た症状に見舞われているのには、ただただ唖然とするしかない。我々的にも彼らの思考回路は最早理解不能である(?)。