こうも下落基調の中でも“針路を探らなければならない”(!)。

 今日から日経朝刊10面(企業1)で、「三井物産 針路を探る」という連載記事が始まった。今回「上」となっていたので、明日「中」なら明後日まで向こう3回、「下」なら明日もうたった2回で終わりである(?)。
 今回はとにかく物産といえば資源関連、ということにスポットが当たっていた。前期業績予想で連結純利益が過去最高の4300億円というが、社内に浮かれた雰囲気がない……まあそれも当然で、86%を資源関連が占めているので自力で叩き出したのならともかく、所詮他力本願的な面でしかないからだろう。一昔ほど前の01年以降、資源分野に大規模投資を促進する一方で非資源分野の整理も進めるという“選択と集中”に注力してきたが、ここへきてそういったアンバランスさに我々アウトサイダー以前にインサイダーから懸念の声が上がっている。
 そこで積年のライバルと目される三菱商事との比較で、純利こそ4500億とほぼドッコイながら、機械・生活産業・化学品といった非資源で3分の1・1500億を見込むほど比較的バランスが取れていて、環境変化への備えに抜かりなさそうだという。因みにここには記されていなかったが、先日の日経本紙や日刊工業で三菱商事は今期純利5000億達成に自信があると出ていた。日経会社情報最新号では4700億となっていたから、それをも蹴散らすかの如き自信である(!)。
 物産も農業・穀物といった食料、機械・インフラ、化学品……こうした非資源セクターの利益を全体の4割に引き上げるという。会社情報最新号に出ていた「もうそろそろ向こう2年、14年3月期までの中計立案」というのは、ひとつにはそういったことかもしれない。
 それにしても昨日今日の2日間で物産株が44円も下げたので(!)“針路を探る”どころではない気分だが(?)……いや、だからこそ“探らなければならない”のだろう。