東京製鉄の値下げが新日鉄等に痛手……!?

 今日の日経産業新聞15面(素材・エネルギー)左上にある囲み記事に、先週16日に鉄鋼の電炉セクター最大手・東京製鉄が鋼材の全面値下げを表明、これによってショックを受けたのは日本市場に安値攻勢をかける隣国・中韓メーカーではなく、むしろ新日鉄を筆頭とする日本の高炉セクターだと出ていた。その値下げは6月から全品1トン5千円の値幅で、東鉄曰く「先の大震災の復興が口実の、安い輸入品に対抗する」。
 4〜6月期の原材料価格で鉄鉱石と原料用石炭が史上最高値をマーク……直近10年の折れ線グラフも出ていてそれを見ると、1トンあたりそれぞれ約300ドル・200ドル弱で、01年に双方50ドルあったかなかったかだったので“隔世の感”がある。とにかくこれによって鋼材生産コストアップが1トン1万5千円となり、企業努力外の部分を価格転嫁せざるを得ないと模索していたところへ、東鉄がその足元を見透かして放った「東鉄ショック」だとしていた。
 その東鉄値下げの記事は確かに1週間前の17日付日経朝刊3面(総合)トップで見かけたが、あくまで「見かけた」に過ぎず「ああ、値下げするねんね」と軽い気で読み流していた(?)。しかし、まさかそれが新日鉄はじめ高炉セクターの新たな悩みのタネになっていようとは、迂闊なことに夢にも思わなかった。