日本と世界の4月粗鋼生産量。

 今夕19時22分配信の日経電子版で、日本鉄鋼連盟が今日発表した4月の粗鋼生産量は前年同月比6.3%減の841万9千トンとなり、先の大震災による鉄鋼各社の設備被害や自動車生産の低迷が響き、2カ月連続で前年割れとなったと出ていた。しかも下落幅は震災発生の3月の2.7%より更に拡大し、1日あたりの生産量も前月と比べて4.6%減少したという。来月の見通しも、自動車生産の低迷が続いている上、復興需要も本格化しておらず「前年同月比マイナスとなりそう」(鉄連)だ。
 ただ、先日も取り上げたが『日経新聞の数字がわかる本』(小宮一慶著・日経BP)の言に従えば、年産1億トンこれ即ち月産833.3…(の循環小数ではややこしいので)834万トンが損益分岐点となろうから、4月延べ842万トンでは何だかんだと辛うじて分岐点は越えられているわけだ。だからその辺は希望を抱いていいと思う。
 一方、世界鉄鋼協会(ワールドスチール)がまとめた4月の世界の粗鋼生産量(速報値、64カ国・地域)は前年同月比5.0%増の1億2694万トンで前年同月比プラスを19カ月連続でマークした。世界最大の生産国である中国が同7.1%増の5903万トンと拡大を続けたという。