もう必要なかろうに……朝日の文字の拡大化。

 今日の朝日朝刊1面左端と18・19面に、3月31日付夕刊から現在よりも活字を大きくするという社告が出ていた。現在縦が約3.0mm、横が約3.7mmで、今回縦を0.3mm、横を0.2mm拡大するという。コンマ数mmながら確かに違いは歴然で、記事にはなかったが多分に高齢化対応、現在の文字でもまだ見えにくいと感じる目の持ち主に配慮したことと思う。
 18面に文字の大きさの変遷が載っていた。まず1951年(昭和26年)から81年(56年)は縦約2.2mm、横約2.8mmで、参考に51年1月29日付の記事が少し再掲されてあったが、これでは確かに如何に僕でも「ガキの頃の新聞嫌い」はよくわかる(?)。政治・経済のことがわからない以前の問題で、今の字に馴染んだのを差し引いても余りにも小さ過ぎるのだ。
 そもそも僕が朝日を初めてとり出したのは88年(63年)3月20日からだったが、次の81年から91年(平成3年)の間は約2.3mm・約3.0mmで、同様に82年7月11日付の再掲記事を見ても五十歩百歩で今となってはキツイものがある。
 そしてその91年頃から文字通り目を見張るような大型化が進む。2001年(平成13年)まで約2.6mm・約3.3mmで、登場当初これでもかなり大きくなったと感じたもので、更に僕も気がつかなかったが08年にも縦だけ0.2mm拡大し現在に至っている。
 しかし今の大きさでも僕的には大き過ぎるキライがあるのに、いくら高齢化に対応とはいえ今回そこまで大きくする必要があるのか、ここまで来るとさすがに疑問である。20年前の拡大時でも「記事の執筆なり紙面レイアウトの工夫で、全体の記事本数等の減少を食い止める」としていたが、そこまで大きくなるとページ増しかないのではと思うくらいスペースが逼迫する気がしてならない。昨今の文庫本でも一昔二昔前よりも文字が拡大されていて「紙の」活字離れ・書籍離れを食い止めようと必死だが、新聞でも一つにはそういったこともあるのかもしれない。あとは日経を含む他の全国紙やブロック紙、地方紙といった一般セット紙・朝刊紙まで追随するかどうかである。