早く入幕し「4人の親」への親孝行をしろ!

 今日の毎日朝刊18面(スポーツ)でようやく気付いた形になってしまったが、目下進行中で明日千秋楽の大相撲初場所で、2場所連続謹慎休場があけて今場所幕下から再出発したという松ヶ根部屋の松谷が7戦全勝で優勝したと出ていた。
 「おっ! まあだけど僕的には『順調』にいけば今頃前頭だと思っていたから、“前頭”が幕下にいてはそれも当然だろう」
 昨春、大阪の部屋の問題に引き続いて、よもや少なくとも松ヶ根部屋に限って野球賭博はないと思っていたところへ、当時十両だった松谷他1名がそうだったと発覚、8月14日付朝日朝刊社説で朝日の真骨頂的切れ味鋭い相当キツイことを書かれたのちに、秋場所九州場所と謹慎休場を余儀なくされたから、その間の充電を一気に放出したと言えば聞こえがいい。本人も、相撲取りにとって何がつらいといって、土俵でブン投げられて負けること以上に怪我や病気、ましてや不祥事による謹慎によって出られないことだと身に沁みただろう。
 そして僕も迂闊なことに毎日より先に朝日を読んだにもかかわらず気がつかなかったが、25面(スポーツ)に松谷のことが、昨夏社説で名を伏せていたもののバッシングしてしまった責任もあってか「特別」に取り上げてあり、「少しは恩返しできたと思う。多くの人に迷惑をかけたという気持ちを忘れずに…」といったコメントが出ていた。ただ、本心かどうかはまだまだ疑わしい。再出発したばかりで酷だが、昨年フジ系で放送された(名づけて)『みづえさんドキュメント』でも取りあげていて、ありがたくもみづえおかみのコメントまでもらったというのに、1度十両昇進を逃した時のあの悔しさと、その後十両昇進を果たした時のあの嬉し涙と決意は一体どこへ行ったのか、未だ行方不明だからだ。
 まあ、いずこの世界も勝たないと生きていけない“戦士”は結果が全て、松谷に言わせれば「今年のオレを見てくれ」かもしれないが、だったら今年中に見事前頭になってみせて「4人の親」……2人の実の父母と松ヶ根親方、そしてみづえおかみへの親孝行をしてみろと言いたい。
 僕は、ようやくここ数年のこととはいえ「やっぱり『聴いてよし』のみならず『歌うもよし』はみづえさんしかいない」と思い昨年『高田みづえ全集』のCDまで買って、あとそれにあぶれてしまった他のLPの曲のため、なかなか手に入らない80年前後のみづえさんのLPまで欲しがっている(!)。一方、最近部屋に弟子入りした若手達は、おかみのみづえさんがかつてどれほどの活躍をしてきたか、どれほど重要な存在のヒトなのか、全くと言っていいほど知らないでいる有様かもしれない。確かにそういうことをあまり自ら語ろうとしないであろう、おかみかもしれないが……
 とにかくこの際なので、昨夏言ったことをここでもう1度言いたいが、大阪の部屋問題での親方にしても、賭博問題での2力士にしても、もちろん他の所属力士にしても、もう金輪際おかみのみづえさんを悲しませないで欲しい。