ブラジルの高速鉄道プロジェクト、日・仏が応札見送り、韓国勢へ。

 15時過ぎの休憩時間中に見た日経電子版携帯用に、かねてから注目されていたブラジル高速鉄道への日本勢の応札参加が見送りになったという、13時32分配信の記事があった。フランスも同様で、今回は韓国側に「栄冠が輝く」見通しになったという。まだ詳しく理解していないが、結局どうやら日仏がブラジル側の要求を飲めなかったようだ。
 今回の「ブラジルプロジェクト」に関して4月21日にこう記したので、おさらいの意味で再掲したい。

 【今日の日経朝刊7面(国際2)に、入札間近のブラジル高速鉄道(予算346億レアル=1兆8500億円、リオ五輪開幕の16年開通を計画)に日本、中国、韓国のアジア3国からの売り込み合戦がピークを迎えているという囲み記事が出ていた。記事中には欧米の「欧」の字も「米」の字も出てなかったので、今回は例の「ビッグ3」の出番が本当にないのか、ブラジルに関しては全く食指を動かさないつもりなのかは不明だが、事実上アジア3国の争いのようだ。
 ただ日本が入札するに当たっての懸念材料が2つ挙げられていた。ひとつはブラジル側の昨年12月の入札原案で、日本のお家芸である安全性よりも低コストを重視した内容であること。しかしブラジル側の気持ちも分からぬでもないが、もう既にそれは至って危険な方針でしかないと思う……そしてもうひとつはその原案の中で、計画通りに事が進まなかった場合にそのリスクを受注側が全面的に負うとうたっていること。結局2つ共カネについてのもうワガママに似た要望である。当然ながら、かつ残念ながら、そのままでは日本としてはそういうビジネスに乗るわけにはいかない。こうして見ると、どうやら加独仏のビッグ3が静観を決めているの(だろうか?)は、あいにく今流石にそこまで手が回らないのはさることながら、そういったことを既に見抜いてもいたからかもしれない。】 
 冒頭で言った「ブラジル側の要求」が、未だ十中八九、抜粋文の中の「2つの懸念材料」なのだろう。なおブラジルプロジェクトにおける「Team Japan」は三井物産三菱重工、日立、東芝の4社で、一応僕もあわよくばプロジェクトの末席にお邪魔する段取りだったが(?)、抜粋文の中で「そういう要求では仕事できない」と断じてしまったのが“致命傷”になったのか(?)、残念ながら今回の話はなかったことになったようだ。
 そしてこうなった以上は、隣国にエールではないが、折も折、「北」の邪知暴虐的“宣戦布告”を受けた韓国に頑張ってもらって、是非成功のドラマを見せてもらいたいと思う。