久し振りに我が意を得たり!日経の『大機小機』。

 今日の日経朝刊15面(マーケット総合2)にある例の『大機小機』に、今日の日本の農業政策がいかに特殊かについての記述があり、僕的に目に付いた大要こんな記述があった。
 1.TPP(Trans Pacific Partnership:環太平洋経済連携協定)への参加は、製造業の為に農業を犠牲にするのかという農業側の声があるが、それがなくとも先細りは不可避だ。
 2.農業にはかつて93年のGATT(関税・貿易に関する一般協定………現WTO=World Trade Organization:世界貿易機関ウルグアイ・ラウンド合意で6兆円超の費用がつぎ込まれたし、それ以前から消費者・納税者の「犠牲」のもとで手厚い保護を受けてきた。
 3.自給率云々は最早ブッチャケナンセンス。それさえ概念として存在しない国もあり、そこまでいかなくても自給率を基本政策にしている先進国など現存しない。
 4.少子高齢化・人口減に比例した需要減で、減反しても、ましてやTPPがなくて輸出という名の「はけ口」すら確保されなければ、超過供給状態から脱却できず結局は価格下落の憂き目に遭う。
 5.TPPにたじろぐでなく、農業はかつての「過保護」の甘えから卒業し、国際競争の中どうやって生きていくかの戦略を練って実行して欲しいし、行政もその促進のために政策転換が必要だ。
 昨日の参院予算委員会での共産党の「TPPは農業壊滅、自給率13%、ひいてはGDP崩壊につながる」という質問もそうだが、「製造業のために農業が犠牲」という言い分も論理の飛躍が甚だしい。相当な一足飛びであり、間の論理・論議がズボッと抜けていて意味不明につき、到底褒められたものではない。大体「TPP大賛成」「待ってました!国内の小さいパイから飛び出し世界相手に戦えるし、もちろん厳しいけど勝つ自信もある」という農家もあると聞くし、それら「少数意見」は一切シカトか?
 あとは僕の9月27日当ブログ『「プレ食管制度」を無くし、「使えない」農家を淘汰せよ』で取り上げた、当日の朝日朝刊社説や同月7日付日経朝刊『経済教室』に沿った感じの記述だった。まさに我が意を得たりで、文句なしだ。「かつての食管制度も現下の戸別制度も一切No Thank You、手かせ足かせがウザイだけだから世界のフィールドで好きにやらせてくれ」……今後の日本にはそんな農家にしかレゾンデートルはない。