リニアの技術を現有鉄道や医療・バイオに。

 今日の日経産業新聞11面(先端技術)にある中くらいの大きさの「テクノトレンド」という囲み記事に、鉄道総研鉄道総合技術研究所)が、先般東京―名古屋間「一直線ルート」で事実上決まった話題もあるリニアモーターカーで培った超電導技術を、現有の電化済み鉄道のトロリー線や医療現場でのNMR(核磁気共鳴装置)に応用しようとしている旨のレポートがあった。今朝出勤前のタダでさえ慌ただしい時、しかも朝毎読日経の朝刊に目を通した後ようやく日経産業を手にして見つけた、意外性を秘めたなかなか面白い記事で、とりわけ「超電導トロリー線」が実用化されれば、特に直流電化区間での送電中に於ける電力減衰が解消されたり、数km毎に設置が必要な変電所の「リストラ」も容易になるという。
 ただレポートに一切なかったことだが、その開発・設計・生産・設置コストがどういう風になっていくのか全く不明だ。「それは電力業界では既に研究中であるものの、鉄道業界では世界でも例がない」とあったので、やはり導入コストの問題があって仮に実用化しても十分ペイするのか否か読めないんじゃないかという憶測を抱いてしまった。まあこの鉄道総研の取り組みには、JR各社その他地下鉄を含む鉄道会社も協力していくとのことだが、画期的で導入したいのは山々ながら、いの一番にコストが気になって仕方がなさそうな様子が目に浮かぶ。