外為特会が赤字では仕方があるまい。

 今日も東京外為で1ドル85円台と依然円高傾向だったが、今日の日経朝刊5面(経済2)に、ここ数年なぜ通貨当局が円売りドル買いの市場介入を全く行なわないのかの理由となる記事が出ていた。「日本だけが一人逆立ちして単独介入したってやるだけムダ」というわかりやすいストレートな理由もあるが(?)、外国為替資金特別会計、略して外為特会という国家予算の一つが「介入資金」となっており、それが03〜04年にかけての大規模介入の後、更なる円高ドル安のあおりで10兆円もの評価損が出ているという。最早単なるトラウマ云々のレベルの話にとどまらず、会計上厳然たる数値となって表れてしまっている話らしいのだ。
 目下世界の外為市場で各国いずれも「自国通貨安」がウレシイと、自国通貨の安売りバーゲンに躍起になっている風な有様だ。貿易収支とりわけ輸出による収入増の狙いだが、これも遠回しの保護主義施策、かつて歴史上歩んだ危険な道らしい。そんな中で日本円が独歩高になっているのは、ひとえに円買いの集中砲火のイジメを受けているからに他ならず、決して「日本経済素晴らしい」「日本を買いたい」といったポジティブな要因ではない。
 しかし本来は「自国通貨高」こそウレシイもの、仮にもお買い上げ頂いたお客様に感謝して差し上げなければならないはずなのだ。何か一つたりとも犠牲を強いずに円高を逆手に取る方策はないのか?……それに日本が解答を示せば、今やそれ以上の「国際貢献」はなかろう。