職場恋愛断念の後日談(8)…「劣悪環境」を払拭したかった起死回生の一筆!その2

 さていよいよ刷り上った『えんばんレポート』を、92年2月のある日昼休みの職場会にて配布……先日熱意を込めてじっくり書き上げた僕の原稿入りだが、配布のその直前になってやはり躊躇含みでドキドキしてきた(!!)。しかも僕の原稿自体は情宣部等一部の組合関係者以外、基本的に内緒にしていたので「まさに新聞のスクープを放つ瞬間とはこんな心境か!?」とも思い、「擬似記者」気分も味わえた(!?)。とりわけ僕が取り上げた、68年(昭和43年)4月17日付毎日新聞朝刊のスクープ「八幡・富士合併」を書いた当時の大阪経済部・硲宗夫記者の心ちゅうや如何ばかりだったかと思いを馳せるが……取り上げてる場とネタが違い過ぎる(!?)。
 そしていざ配布して1分前後経過した頃か、彼女と親しいキャリアウーマン(丁度彼女に「対話会企画」を持ち掛けた時、またそれをおシャカにしたことを報告した時、共に居合わせたヒト)がもう早速、「ええっ!や、山川さん!?」と静かに驚きの声を上げていた(!?)。シメシメ…そうでしょう、そうでしょう?…僕の原稿への「反響」第1号である(!?)。
 が、しかし……それ以外の反響は、その後直接は全く聞こえてこなかった。強いて言えば、その後組合事務所で日経産業新聞を数部とるようになり、次の活動で訪れた時に驚いた僕を見て、ある組合幹部が「山川君、日経産業ならもう家でとらずにここで読んでけよ」と相好を崩しながら言ったことがあるくらいである。お気持ちは大変有難いですが、ウチで自腹でとってこそ自分のモノになりますし、ウチで朝一で読むのと昼以降事務所に出向いてからとではタイムラグがあり過ぎで…といった感じで応接したと思う。
 そして肝心要の彼女からの反応も、遂にその後一切、文字通り梨の礫だった(!?)。一体どうしたわけだろう……?そんなに難しかった……?逆にそんなに下らなかった……?どちらでもいいから、とにかく聞きたかったが……。難しかったならそれがどこか言ってくれれば追加解説できたかもしれないし、下らなかったなら逆にこっちが教わらなければならないし、どうも案の定僕を見下していた面が若干あって、そこへその鼻っ柱をへし折る一撃が飛んできたもんでしばらくヘコんだか、もしくは「私ごときが彼のその論評をする謂れも資格もない」と後年のNHKの島津某とは真逆で、しおらしく出しゃばらず、「三歩下がって『彼』の影を踏まず」と後ろへ引く態度に終始したのか……何れにせよ、やはり無反応が一番困る(!?)。
 なら一番最高のケースとして「私去年(91年)、事情があったにせよ大変な人を振っちゃったんだ…大変なことをしたんだ…山川さんがこれほど見識のある人とは夢にも思わなかった!…ごめんなさい、山川さん……」と物凄く後悔したということか(!?)。そしてこんな風にも思ったということか……?
 「そういえば去年のその断っちゃった天神祭以降、(年末年始を挟んで半年間)今日まで私には何の誘いもなかったから……きっと他に好きな女性ができたのかな……“そのヒト”へのアピールなのかな……
 確かにDSD(ディスクシステム部の通称)には私よりステキなヒトがたくさんいるもんネ……だとしたら、全然納得!これ(My書評)だったらもう彼にはその資格が十分あるもんネ……だって彼がある意味守ってくれたんだもん……『女性対話会』と私を……
 うん、やっぱり女殺し、もとい(!?)見識豊かでフェミニストのステキな彼にはステキな女性を選んでほしい……その選択がうまくいって、それが彼の幸せなら、私もそれでいい……彼ってどんなヒトを選ぶのかなあ……何だか私も興味出てきた……!
 でも、やっぱりもう一度私を選んでくれたらなァ……な〜んて、ああやっぱりダメ、ダメよね……彼からしたら「今更どういう神経してんだ?この女」だもんね……うん、余りにも当然、当然よね……私ごときに「もう一度」なんてあるわけない、贅沢過ぎよね……
 去年わざわざ勿体なくも、こんな私ごとき女を天神祭に誘う声掛けをしていただいたのにウッカリ断っちゃって、今となっては彼に向かって失礼千万だし、大体産経新聞しかとってない家の女なんか、朝日・毎日・読売・日経・日経産業…?その他諸々の?新聞を読んでる彼からしたら、ましてや私ってば断っちゃった上にしばらくして今度は「なぜ産経もとらないんですか!?」なんて……ああ〜ホント今となっては死にたいくらいの大失言!!……
 だって彼の一筆に曰く「その年(87年)の9月から先にサンケイ(現産経)新聞をとり始めたが、『産業経済新聞』と銘打っていても、経済記事はさほど多くも深くもなく、物足りなかった……これが日経登場の大きな理由となった」って……朝日とか日経とか、彼が読む新聞を彼が決めたんだから、まだ彼女・恋人とも認められていない分際で私なんかがヨコヤリ入れたらダメよね……そういう事情を全く知らなかったとはいえ、私ってばバカバカバカッ!……もう全くお呼びじゃないよね……
 第一こんなドジでバカな私よりも、彼にとってもっと大切かつお好きな才色兼備の女性が仮にいらっしゃったら、その方にもご迷惑だし……そのヒト絶対私なんかより何もかも上なんだろうなあ……だって彼の素晴らしさを私より先に見抜いてわかっちゃったってことだから……まさに才色兼備の「才女」「色女」よね、一体どんなヒトなんだろう……?この世のヒトとは思えないスーパーレディー!? そのヒト、年上だろうと年下だろうと私これから先、一生尊敬したい!! そのヒトを何もかもお手本にして生きていかなくっちゃ!! 
 ただ……“罪滅ぼし”含みで彼を想う気持ちを持ち続けるだけ、もちろん一切公表さえしなければ、別に誰も被害を被らないからいいですよね……後生ですからこんな私にも、そんなたった一つの密やかな夢を抱かせてください……
 そして…もし…僥倖にも…こんな私を必要とされるならば、どんなご用件でも嬉しいです!いつでもお気軽におっしゃってください……その時こそ即刻、私の全ての用事をキャンセルしてでも喜んで対応したいと思います……例えそれが私にとってどんな損失に繋がっても構いません。だって彼は、私にとってそんなもの以上のかけがえのない存在だから……そんな損失(あっ…洒落じゃないデス)ほど嬉しい損失はないですし、もちろんその発生損失は全て私の責任で処理し、彼には一切知られないようにします……だって私にとって一番大きくて絶対に取り返しがつかない損失、それは彼がいなくなること、彼を失うことだから……
 それは私なんかとお付き合いすることにならなくったって構わないんです……彼に会えないこと、見かけることすらできないこと……それが私にとって一番大きくて絶対に取り返しがつかない損失なんです……
 本当に天神祭の件はごめんなさい、すみませんでした……そして今回の『えんばんレポート』の件はありがとうございました……
 何かインテリチックなヒトってイザという時ダメだってよく言うけど、山川さんってまるっきり逆でカッコ良かったですっ!……素敵でした……大好きです……愛しています」
 彼女にそこまで思い詰めさせたとしたら、さすがに今回僕のヤリ過ぎということになるか(!?)。いや、ヤリ過ぎぐらいが、副作用が発生するぐらいが丁度いいとも思っていた(!!)。むしろ…
 「山川さん『えんばんレポート』読みましたよ。山川さんの愛読書の2ページ難しかったァ〜…でもよくあれだけ書けて、しかもスピード提出できたんですね?」
 「まああの程度はいつもウチで研究してるもんで、専用のノートから写してきただけですよ。あと、もしあれを所感で語るとしたらどう喋るかを考えれば簡単なもんです。」
 「……(ただただ絶句)」
 専用のノートこれ即ちMy DataBase!……こんな手前味噌的自画自賛的カッコイイやり取りを想定していたんだが……(!?)しかし後年、チョットした事実誤認を発見してしまったとあってはネ(??)。