南米ブラジルの鉄道ビジネスや如何に。

 今日の日経朝刊7面(国際2)に、入札間近のブラジル高速鉄道(予算346億レアル=1兆8500億円、リオ五輪開幕の16年開通を計画)に日本、中国、韓国のアジア3国からの売り込み合戦がピークを迎えているという囲み記事が出ていた。記事中には欧米の「欧」の字も「米」の字も出てなかったので、今回は例の「ビッグ3」の出番が本当にないのか、ブラジルに関しては全く食指を動かさないつもりなのかは不明だが、事実上アジア3国の争いのようだ。
 ただ日本が入札するに当たっての懸念材料が2つ挙げられていた。ひとつはブラジル側の昨年12月の入札原案で、日本のお家芸である安全性よりも低コストを重視した内容であること。しかしブラジル側の気持ちも分からぬでもないが、もう既にそれは至って危険な方針でしかないと思う……そしてもうひとつはその原案の中で、計画通りに事が進まなかった場合にそのリスクを受注側が全面的に負うとうたっていること。結局2つ共カネについてのもうワガママに似た要望である。当然ながら、かつ残念ながら、そのままでは日本としてはそういうビジネスに乗るわけにはいかない。こうして見ると、どうやら加独仏のビッグ3が静観を決めているの(だろうか?)は、あいにく今流石にそこまで手が回らないのはさることながら、そういったことを既に見抜いてもいたからかもしれない。