今週のダイヤモンドはドラッカー特集。

 今日になってようやく週刊ダイヤモンド4月17日号「もっと知りたい!ドラッカー」という、ピーター・ドラッカー特集号を買ってきた。表紙が「例の2次元のコギャル」…『もし高校野球の女子マネージャーが「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海著・ダイヤモンド社刊)の表紙でもあり、目下読破中の『【エッセンシャル版】〜』共々、ここぞとばかりの熱心な販売施策が垣間見えた気もした。
 先程買ったばかりで読み始めなので全体の感想まではまだないが、ひとつ驚いたページがあった。パナソニック(旧松下電器)の中村邦夫会長も50年来ドラッカー座右の銘にしてきたという特別インタビューで、よもやパナソニックトップが松下幸之助を読みこそすれ、ドラッカーも読むとは思わなかったからだ。ドラッカーでも渋沢栄一でも石橋湛山でも、読む人は読むということだろうか。
 中村会長はドラッカーから5つの教訓を得たと語っていたが、中でも最初の「自己研鑽を積む」は、「それこそ僕が松下に在籍していた二昔前に強調して下さっていたら」と今更ながら少し悔いが残る。研鑽といっても、仕事上のことはもとより、人としての幅を広げる上でもその他関係のない事柄でも構わない。現に自分は空海のことなら誰にも負けないと、相好を崩しながら語っていた。僕も、「綱領・信条・七精神」「社歌」等々世にも知られた朝会の場で、1週間か10日に1回のペースでお鉢が回ってくる「所感」というスピーチの機会でそれはもう山程、それこそ会長がインタビューで遺憾と語っていた「タイムオーバー」気味に喋りまくってしまった(!?)。杉山隆男さんの『メディアの興亡』が愛読書なもので、とりわけ新聞で読んだ記事については勿論、新聞自体についても単に評論の域を出なかったかもしれないが、自己アピールの場でもあり10分程喋ったことも再三再四(それ以上!?)あったことが懐かしい。
 しかしその頃既に、幸之助さんが週休2日制の意義について説いた「一日教養・一日休養」が死語同然になっていたのを当時のトップがどれだけ把握していたのか、今となっては知りようがない。大方今もそうで、試しに明日にでも抜き打ちで「所感」を聞いてみるといい。新聞・テレビニュースのネタは一切出てこない、或いは相当低レベルの筈だ。また、ランダムで社員を少し呼び止め、「東証での昨日(前営業日)のパナソニック株の終値」を訊ねてみるといい。10人中9人まで終値ばかりか水準すら知らないのはもとより、「東証」も意味不明の筈だ。ましてや日経ヴェリタス購読者限定サイト等で今宵「今日の東証で前日比6円安の1407円、出来高588万7300株。赤字決算なのでPERは出せないがPBRは1.25倍」と確認する芸当など及びもつくまい(大体日経ヴェリタス日経新聞を読みもしないし、PER・PBRも意味不明だろう?)。先述の「驚いた」というのは失礼な一方で、そういった伏線もあったのだ。