22年大相撲春場所(大阪場所)千秋楽。かつての某首相ではないが……

 朝青龍が半ば電撃的に引退し、白鵬が一人横綱となった今場所、終わってみれば流石横綱だった。かつて昭和40年代、一人横綱になった途端絶不調に陥った力士がいたという記録があるらしいが、そういうデータを知ってか知らずか、数年前まで「敵は1日目」ともいえた白鵬が、僕もまさか15戦全勝で乗り切って見せるとは思わなかった。将棋界では有名な「米長哲学」を借りれば、日馬富士もいくら優勝にも番付にももう直接関係ないとはいえ絶対負けられなかったが、1分ほどの長い取組の末上手投げを食らってしまった。
 それにしても表彰式後の白鵬のインタビューで「勝つ相撲をとらない」との言葉は、これぞ「白鵬哲学」(!!)なのか、本人が「深い」という前にこちらが既に解釈不能に陥り戸惑っている(!?)。後刻のNHK『サンデースポーツ』、また明日の朝刊で真意をつかめるだろうか?
 十両時分からそれとなく注目株だった、旧ソ連バルト3国のひとつエストニア出身のその名も把瑠都が、いよいよ来るべき所まで来たようだ(来場所から大関)。結びが済むまでは夢も見ただろうが、今場所はもう仕方がなかろう、唯一負かされた相手に全勝優勝されては。しかし把瑠都こそが、余程のことがない限りもう年内にも、白鵬が抱える一人横綱の重圧という名の「荷物」を半分持ってやれることになるだろう。
 まあ今場所は朝青龍がいなくなってどうなることかと思ったが、終わってみて横綱・三役の星取りと実際の取組を見渡して、かつてのあの某首相ではないが「感動した!!」と声をMAXにして叫びたい!