平成30年版からようやくオール口語化か……六法全書。

 今日の読売朝刊1面に、六法の中で唯一、文語体が残存する商法を、政府が17年中に口語体に改める方針だという記事が出ていた。文語体は「漢字カタカナまじり文」で、例として569条に「運送人トハ陸上又ハ湖川、港湾ニ於イテ物品又ハ旅客ノ運送ヲ……」といった、いかにも大正時代テイストの読みづらい文面が化石の如く(?)残存していた。これを「運送人とは陸上又は湖川、港湾に於いて物品又は旅客の運送を……」と、何とかサッと読解できるように(?)早ければ年明けの通常国会に改正案を提出する。

 日本の六法は、そもそも47年施行の憲法自体が口語なのを契機に、48年には民法の一部、95年には刑法が口語化された。商法は06年に一部が会社法として分離された際、関連部分の口語化がなされたが、前掲の569条等の条文は国民生活に馴染み薄だとして、口語化が先送りされてきた経緯があるという。

 全く解釈の異なる条文への改正ならともかく、たかだか片仮名を平仮名に改めるだけでそれほどの期間が掛かったり放置されたりと、実際に運用する司法の世界はもとより、「製造元・検査元」の行政や立法も随分腰の重たいところだと、改めてつくづく呆れる。17年中に晴れて六法全てが口語体になるのであれば、翌18年発行の「平成30年版」六法全書からの「リニューアル」ということか。