今期経常利益2割減 & 東京メトロと共同開発の新型台車。

 今日の日経朝刊1面中ほどに、新日鉄住金の今期の経常利益が2割減の3700億になろうという観測記事が出ていた。会社では前3月期決算発表時、今期の予想は一切出していないが、あさって29日に4−6月期決算が発表になるので、そこで何か出ないか(?)要注目だと思う。

 売上高も前期実績の5兆6100億を下回る見通しだといい、①自動車用鋼板の回復遅れ、②原油安による油田開発用鋼管(リグ)の需要低迷、③もうかねてから言われている、中国勢による「爆作り」「爆売り」(?)、といった要因が挙げられていた。

 ただ、純利益は前期の2142億を上回ろうという。前期にあった、例の伯関連の特別損失686億が当然今期はない上、SUMCO株の売却益330億が入るからだとしている。

 しかしそうした純利益増は、あくまで前期のリバウンドなり今期の特殊要因に過ぎない。この7−9月期も粗鋼減産に入っていて元に戻す見通しが立たない以上、今期の収益環境も依然厳しいものがあると思わざるを得まい。

 なお、その記事が出たせいか、今日の東証で寄り付き早々の9時03分に一時、前週末24日比5円安の279.1円まで売られた。が、直後から「280を割った!押し目ナンピンだ!」という買いが入ったか、一旦値を戻したが、以降は一進一退を繰り返し、結局2.7円安の281.4円で引けた。となると、これから余程の悪材料が出ない限り、当面の下値のメドは280円ということなのか……??


 そして一方でそんな状況下の救世主になり得るのかどうか、今日の日経産業新聞1面下の方の囲み「日経電子版から」と13面(ものづくり)に、新日鉄住金東京メトロとの共同開発で、銀座線用1000系車両の「舵取り台車」を編み出したと出ていた。普通台車の車輪は軸が固定され、カーブを曲がる際に車輪のフランジとレールとの摩擦音で結構やかましい上、当然レールや車輪にストレスがかかって損傷を促進してしまう。

 新開発のこれは車軸が操舵装置によって、カーブに呼応してクックッと臨機応変に動き、そういったことが少ないという。また、同時にカーブの自然減速も減り、事実上のスピードアップまで可能だともいう。

 こういった一石三鳥の台車は、当然他の鉄道会社にも売り込む予定だ。そうなると僕的には、優秀な車両が多いものの長年カーブに悩まされ続けている関西の京阪電鉄がまず、採用に踏み切ってもらいたいと願わずにはいられない(!)。