今7−9月期も粗鋼減産。

 引き続き今日の日経朝刊14面(企業)に、新日鉄住金やJFEが4−6月期のみならず、この7−9月期も生産調整する見通しだと出ていた。依然クルマ向けの需要が芳しくなく、新日鉄住金に関しては4−6の粗鋼生産量が約1000万トンだった模様という。

 7−9は4−6比で5%前後増やすというので、「1割減」からの5%前後であれば5%前後だろうが(?)、フル生産だった1−3から見れば低水準なのには変わりがない。4−6に減産を決めた当初こそ「6月には在庫調整一巡だろう」と見ていたが、ここへ来て「8月頃に先延ばし」の見通しに変わったようだ。
  
 日本鉄鋼連盟では、今年度の国内粗鋼生産量を1億700万〜800万トンと、前年度比2〜3%減の予想を立てている。

 主原料の鉄鉱石や石炭のコストは1年前より3〜5割安だが、副原料や物流のコスト上がっていて、どうもチャラかそれ以上のコスト増かもしれない。世界的な鋼材の在庫増もあり、その流通価格も低迷したままなので、利幅の維持に苦しみそうだという。

 今日の東証での新日鉄住金終値は、昨日比1.1円高の311.8円と、ギリシャ問題が依然続く中でなかなか堅調な部類だと思う。しかし今年度を通じて展望すると、6月3日にマークした年初来高値350.5円を突き抜け、ましてや400円台を窺うまでには至りそうもあるまい。