シェールガス、伊藤忠は撤退だが商事・物産は頑張る。

 今日の日経朝刊1面に、伊藤忠商事シェールガス事業から撤退するという記事が出ていた。大手総合商社でシェールからの撤退第1号という。
 
 伊藤忠は11年、米投資ファンドと組んで米石油・ガス開発のサムソン・リソシーズという会社を買収、25%の出資比率に当たる780億を投じた。しかし今年3月期にサムソンが未開発鉱区の再評価をし、再度の減損処理を迫られた。挙げ句、出資比率に見合う追加の損失435億を計上し、累計で1000億にも及んだ。

 昨年来の原油価格の下落で、サムソンの業績も悪化し今後も収益回復が困難だとし、既に伊藤忠はサムソンに全株をたった1ドルで売却した(!)。もっとも伊藤忠はシェールを米でのみ手がけ、他の開発会社株も売却を済ませ、全額減損処理していて業績への更なる影響がプラスされることはないという。

 シェール事業の採算悪化で大手商社間でバラつきがある中、三菱商事三井物産は利益が出ている鉱区もあり、事業続行を前提に減損額をそれぞれ300億、390億と計上した。

 資源ブームはとうに過ぎたが、ブームとまでいかなくともまた旺盛な需要が発生するのは明らかだ。なので、元来得意でなかったよう見受けられる伊藤忠は退くが、物産は勿論、商事も物産ほどでないにせよ得意なようなので、ブームが去った後のこういう対応が得意不得意を如実に表しているようだ。