「2万」はお預けのまま「1京」は目指すか!?……「バフェット指標」。

 今日の日経朝刊1面に、世界の株式市場の時価総額がこの4月末に75兆ドル(9000兆円)に達し、過去最高になったという記事が出ていた。やはり日中欧、それに昨秋QE3を終わらせたものの利上げに踏み切れないという、事実上米も含めた金融緩和が背景だ。しかもこの数値は世界のGDPにも匹敵するという。

 金融危機前の07年に64兆ドルをピークに一旦下降したが、13年11月以降に再度復活してきて今回に至った。WFE(世界取引所連盟)の統計とグローバルな株価指数の推計では、時価総額は74.7兆ドルといい、IMFの推計による今年の世界のGDPは74.5兆ドルという。ウォーレン・バフェットは、こういうように時価総額対GDPのバランスも重視するので、俗に「バフェットの指標」とも言われる。

 確かに日本の時価総額は570〜580兆ばかりで、名目や実質のGDPも500兆前後なので、「まあそんなものか」「いや、約100兆のバブルだ」とどうにでもとれる(?)。いずれにしてもこれで見ても、当面日経平均2万はお預けのようだ。仮に乗せても、また利食われて割ってしまうだけだろう。

 一方、米国も1−3月のGDPが細ったこともあるし、欧州もギリシャ問題があって、これ以上堅調に進むかどうかは大いに疑問だ。ただ、何かの拍子で思いもよらぬ堅調さが認められれば、史上初の「世界の時価総額1京円到達」も夢ではないかもしれない(?)。

 もっともこれは為替とりわけ円安によるところも大のようで、考えづらいが今日時点の1ドル120円台より更なる円安……いや、ユーロその他に対しても円の全面安が進めば、アッサリ到達しそうだ。反面、市場では、あくまで緩和マネー主導なので過熱感が出てきていると見る向きもある。そもそも「グローバルな株価指数の推計」というのもピンと来ないし……